「準備して臨むのは不安を打ち消すため」Snow Manの向井康二が、ホテルのスイートで語った想い
今号で単独初表紙を飾ってくれたSnow Man、向井康二さんにとって銀座は「土地勘もあって身近な場所」。
ホテルも「ひとりで集中したい時に訪れる」と聞き、並木通りにたたずむホテルでシューティングを敢行。
30代に足を踏み入れ、ぐっとシャープな男の色気を纏った彼の今の胸の内とは――。
「メンバーに対して、かわい子ぶるのが今の僕の流行り(笑)」
東京カレンダーへの登場は4年ぶりの向井康二さん。
再会の舞台となった「ハイアット セントリック 銀座 東京」の「ナミキスイート」に現れた彼は、ぐっと男らしさが増し、時折見せる物憂げな表情には色気ものぞく。30代に入り、大人の男への階段を着実に上っていることを確信させた。
インタビューの初めに、まずそのことを伝えると……。
「表情っていうテクニックを身に付けちゃったんですよ、なんてね。でもここ最近、“大人・向井”を求められる機会は多いですね。でも僕はその方がありがたい。“笑ってください”って言われても、なかなか笑えないタイプなんで」
国民的アイドル、Snow Manの“バラエティ担当”として、少年のような弾ける笑顔が印象的な彼なのに、意外である。
「バラエティでは次の展開はどうしよう、ってずっと先々のことを考えているから、実は顔が真顔になっている時の方が多くて。目の前で繰り広げられるトークが全然入ってないときもある(苦笑)。それでも昔よりは自然に笑える頻度は増えてきたんじゃないかな」
その理由は、メンバーへの安心感が大きいという。
「みんなが絶対に受け止めてくれると思えるようになってからは、考えすぎなくなりました。最近はもうね、歳を重ねて赤ちゃんみ、いわゆる“バブみ”が増してきています(笑)」
“バブみ”が増す……とは?
「メンバーに対して、かわい子ぶるのが今の僕の流行り。
こないだもラウールの顔をウルウル見つめてたら、“久しぶりによーく顔見たけど、若いねー”って。“もう31やで”って返したけど、“キュルキュルしてるね”って言ってもらえました。でも昨日、MV撮ってる時にしょっぴー(渡辺翔太)にも同じように甘えたら、“キモッ”って言われましたけど(笑)。
まぁ、メンバー9人のうち7人が30代。心が老けたら終わりですから、若作りしていかないとね!」
「“ま、いっか”ができない性格だから、しっかり準備して臨みたい」
そう言うや、「思い切りベッドにダイブして」というカメラマンのリクエストに“全力アイドル”で応えてくれた。
だが、向井さんからメンバーの話が出て、ふと思い出したのは4年前のインタビューだ。
〈自分はSnow Manのメンバーでいいのかな?俺って浮いてるんじゃないかな?って思うときが定期的に訪れる〉と当時は吐露していたが、その胸の内に変化はあったのだろうか。改めて尋ねた。
「今も変わらないですね。数日前もダンスメインのMV撮影でしたが、思いましたもん。それはメンバーと自分を見比べて劣っているからとかではなくて。
もうちょっとうまく踊れるはずなのに……っていう感じとか、撮影当日に生じた変更点への対応能力とか……。いろんな部分で未熟さを突きつけられるたびに、そんな気持ちになりますね。
特に自分は変更に弱くて、準備してきたものと異なるものを求められると、不安が大きくなって焦っちゃう。ったく、弱いよね」
そう言って自虐的に笑った。でもそれは、完璧主義者ゆえの悩みなのではないだろうか?
「いやいや、準備して臨むのは不安を打ち消すためで、僕が完璧主義者ってことではまるでないです」
本人はそう否定するが、“ま、いっか”や“とりあえず”で決して濁さない。そこに、向井さんの誠実さが表れている。
「それができたら、ラクなんでしょうけど、絶対に後悔するって分かってるから。ファンの人たちの目はそんなに甘くない。手抜きは絶対に伝わりますよ、やっぱり」
誠実さはファンに対してだけではない。10月31日公開の日タイ共同制作映画の現場では、W主演を務めた森崎ウィンさんや監督の想いに応えたいと全力で臨んだ。
「僕は役者業がメインではない人間。でも、声をかけてくれた監督がいて、お芝居が大好き、というのが全身から溢れているウィン君がいる。だったら僕にできることは、彼らが少しでもやりやすい環境を作ることなんじゃないかな、と」
東京とバンコクを舞台に、学生時代から惹かれ合うソウタとカイの切なくもピュアな恋を描く映画『(LOVE SONG)』。
向井さんはアーティスティックで不器用、素直になれないカイという人物を演じているが、撮影ではこんなことがあったという。
「僕がソウタ(森崎ウィンさんが演じる役)に背を向けて料理をしながら昔話をするシーン、あれは当初の台本には向かい合って話をする設定で書かれていました。でも、すれ違うふたりを表現するのには違和感があるとウィン君が感じているように見えて。
“なんかやりづらい?”って聞いてみたら、“わかってくれる!?”と心を開いてくれたんです。結果的に監督と3人で話し合い、そのシーンは後日仕切り直すことに。
僕からしたら、料理とセリフを同時にこなすという、芝居のハードルが上がったシーンになったけれど(笑)、変更して絶対によかったと思っています」
人の感情の変化を敏感に察知し、それを繊細にすくい取れるのは、自分の弱さを知る向井さんだからだろう。
ちなみにこの作品は、向井さんにとって映画単独初主演作でもある。
「プレッシャーや緊張は撮影中も公開前の今もあります。でもたくさんの人が応援してくれて、楽しみにしていると言ってくれたから、自然と気合が入った。
いつもと違う向井康二をたくさんの方に観てもらえたら。ただ僕はコイツ(演じたカイ役)、面倒くさくて好きではないですね(笑)」
新たに加わった“クールな男”という引き出しと、“バブみ”にあふれた素の向井康二。相反するギャップもまた、この人の魅力に違いない。
■プロフィール
向井康二 1994年生まれ、奈良県出身。2019年にSnow Manに加入し、翌年デビュー。グループきってのバラエティ担当であり、番組から生まれた“マッサマン”は子どもから絶大な人気を誇る。単独初主演となる映画『(LOVE SONG)』が10月31日に公開
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