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友情の賞味期限 Vol.11

「2人目が欲しい」と伝えた夜。夫の冷たい態度に、揺れる38歳妻の女心

西宮ことり

◆前回までのあらすじ

セレブ専業主婦の愛梨、バリキャリ共働き夫婦の由里子は、子どもの習い事が一緒で友人関係に。まりかは、起業家兼ピラティスインストラクターで、由里子とは昔の飲み友達。キャリアも立場も違う2人と仲を深めていく由里子だが、夫婦の“レス問題”で悩んでいて…。

▶前回:「離婚はしないけど、その代わり…」麻布十番在住の妻が、結婚5年でたどり着いた真実とは


離婚という選択:由里子(38歳)大手生命保険会社勤務


雲ひとつない秋晴れの日。

今日は、美桜の保育園の運動会。キャップを被った夫の雅史がスマホを構え、スタート位置の美桜に向かって手を振っている。

― こうして並んでいる私たちは、きっとなんの問題のない夫婦に見えるんだろうな…。

そんなことを思っていると、主任の先生の「よ―いどん!」の合図で、年少クラスの子どもたちが勢いよく走り出した。

「美桜、がんばれ!」

雅史と声が合ったその瞬間、まるで昔の仲が良いふたりに戻れた気がして、胸の奥がきゅっと熱くなった。

けれど、その感覚も長くは続かない。

「ママ〜!パパ〜!」

無事にゴールした美桜に私は手を振り、ハンカチで額の汗を押さえてペットボトルの麦茶を飲んだ。

「吉村さん!美桜ちゃん、すごく速かったですね!」

声をかけてきたのは、美桜と仲の良い女の子のママだった。視線を下げると、ふわりとしたワンピースのお腹がふっくらとしている。

「もしかして…?」と聞くと、「はい、二人目なんです」と満面の笑みが返ってきた。

私も無理矢理に笑顔を作ったけれど、胸の奥にはなんとも言えない感情がじわじわと広がった。

この記事へのコメント

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「今日さ、赤ちゃん抱っこしてる人とか妊娠してるママ多くなかったよね」
??
本当に何が言いたいのか分からない😆
2025/10/22 05:3019Comment Icon4
No Name
この連載はちっとも面白くならないから、毎週そろそろ終わるかなと期待しながら読む程度。ただ、娘の成長は誇らしいのに寂しく感じる母心から、シャンプーのCMが浮かんだ。長谷川潤ちゃんと娘ちゃんの。「なるべくゆっくり大人になって」 個人的に久々好きだなと思えたCM。
2025/10/22 06:089Comment Icon1
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由里子はもう少し精神的に強くならないと、二人目なんて無理。些細な事で一喜一憂して、他人と比較して羨んだり元々そんな性格だったりトラウトがあるかは知らないけどよく結婚できたなと。
娘と夫にスーパーの唐揚げ拒否され泣いてそのまま男とバーを梯子するタイプじゃ、離婚して一人でやっていけそうにない。
2025/10/22 05:226
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友情の賞味期限

西宮ことり

結婚するか、しないか。
子どもを持つか、持たないか。
キャリアを追い続けるか、それとも手放すか。

私たちは、人生の岐路に立つたびに選択を重ねてきた。
女性の場合、ライフステージに応じて人間関係も変化していく。
同じ境遇の人と親しくなることもあるが、それは一時的なつながりにすぎないことも多い。

何にも左右されない“女の友情”は、本当に存在するのだろうか。
それとも――友情にも「賞味期限」があるのだろうか。

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