◆前回までのあらすじ
セレブ専業主婦の愛梨と、自由気ままな独身のまりかとの仲が急速に縮まる一方、仕事と育児で疲弊していた由里子にもある出来事が…。
▶前回:37歳専業主婦、子どもを預けて夜遊びへ。21時の麻布十番で見た“ある真実”とは
ほろ苦い誘惑:由里子(38歳)大手生命保険会社勤務
月曜の朝は、いつも気が重い。
土日を家族で過ごし、すっかり甘えモードになっている美桜を夕方まで保育園に預けなければならないのだから。
「ママ、今日おむかえ、はやい?」
「うん。今日は大丈夫だと思うよ!」
保育園で美桜と別れ、私は急いで白金高輪駅に向かう。
朝の送りが一番大変だったのは、イヤイヤ期が訪れた1歳の後半から2歳の頃だった。4歳になったら楽になるよ、と会社の先輩に言われた通り、最近は割とすんなり保育園に行ってくれている。
けれど、別れ際の美桜の寂しそうな表情を見ると、胸がぎゅっと締めつけられるのはずっと変わらない。
― どうか、今日は定時で上がれますように。
そう祈りながら交差点で信号を待っていると、ブルッとスマホが震えた。
グループLINEに愛梨からメッセージが届いていたようだが、見ようとした瞬間すぐに送信取り消しされてしまった。
「ん?」
誤送信か、それとも、何か言いかけてやめたのだろうか。
朝の陽射しの中で妙な胸騒ぎを覚えたが、スマホをジャケットのポケットに捻じ込み、気持ちを切り替えて地下鉄に滑り込んだ。
この記事へのコメント
何も食べてないと思いお惣菜買って帰ったら素麺食べてるのかよ vs せっかく俺が素麺を茹でて二人で食べてたのにわざわざ酸化した油の臭いするから揚げ出すなよ
仕事と嘘ついて家出てきてほろ酔いで帰宅したら疑われそうだけど...