A2:フィーリングとタイミングが合った。
二度目は恵比寿でディナーをすることにした。この時に、お互いのゴールなどの擦り合わせができた気がする。
「じゃあ恭平さんは、結婚願望があるんですか?意外」
“意外”と、よく言われる。だから「積極的に言葉にしないといけないな」と思っていた矢先だったので、日奈子に伝えて良かったと思った自分がいる。
「そうなんですよ。日奈子さんは?」
「私もあります。でも、緊急で!!という感じではなくて、良い人がいれば結婚したい、という感じですね」
「そっか、先に結婚ありきじゃないんですね」
そして、日奈子のがっついていない感じが逆に良かった。
“絶対に結婚がゴールです!!結婚しないなら、この先には絶対に進みません!!”みたいな圧で来られると、正直怖い。
始まりそうなものも、始まらないから、チャンスの芽を潰すことになると思う。
100%確実ではない将来を、簡単に口約束などできるはずがないし、日奈子くらいのスタンスのほうが、意外に男は助かる。軽やかな気持ちで、先に進めようと思えるから。
そして三度目のデート。僕は、昼デートを提案した。なぜなら夜は毎回“ナイトフィルター”がかかる。本気で付き合う人とは、白昼に一度会っておきたい。
そう思っていたので日奈子に『CICADA』でのランチデートを提案すると、とても喜んでくれた。
この日は天気も良く、絶好の昼デート日和だった。しかも気温も高くて、喉も乾いている。土曜の昼、ビールはとても魅力的に見える。
― でも昼から飲むのって微妙かな…。まだ三度目のデートだしな。
「どうしようかな…お昼だけど、一杯飲んじゃおうかな」
ためらいがちに言うと、日奈子は満面の笑みで返してきてくれた。
「もちろんですよ、どうぞ。それなら私も一杯飲んじゃおうかな」
「せっかくですしね!」
こうして、日奈子は白ワインのグラス、僕はビールで乾杯をした。彼女は、本当に美味しそうにワインを飲む。
「美味しい…!」
「最高ですね。そして日奈子さん、めっちゃいい笑顔しますね。ワインのCM出れますよ」
「本当ですか?絶対嘘だ(笑)」
― この子と一緒にいたら、こういう楽しい時間が日常になるのかな。
初回から思っていたことだけれど、日奈子といると純粋に楽しい。それは彼女がずっと笑顔でいてくれることも大きい。
「日奈子さんって、意外ですよね。見た目は“THE 丸の内”って感じなのに、気さくで話しやすいし、よく笑ってくれるし」
「どんな見た目なんですか、それ」
そして空気感が似ているというか、こうやって同じタイミングで一緒にお酒を飲めたり、楽しく食事ができたりすること。
このフィーリングが合う人って、いそうでいない。
その点日奈子は、無理をしなくても合う。お互いに歩み寄ろうとしている感じもあるし、以前から知り合いのような感覚にさえ陥る。
さらに僕が「日奈子と付き合おう」と決めたのは、お会計の時の彼女の言動だった。
いつも通り僕が支払おうとすると、慌てて止める日奈子。
「毎回ご馳走になってばかりなので…ここは私が」
「いいですよ、デートですし」
すると少し考えてから、どこかいたずらっ子みたいに笑った。
「じゃあ、次回行きたいお店があるので、お付き合いいただいてもいいですか?私の行きたいお店なので、私に奢らせてください♡」
― そっか、次があるんだ。
なぜか、日奈子とは当たり前のように次の約束ができる。これはこの先、一緒にいることを意味している気がする。
だから僕は、店を出てすぐに日奈子に告白してしまった。
「日奈子さん、僕と付き合ってくれませんか?」
最初は、とても驚いていたけれどYESと言ってくれ、付き合うことになった僕たち。
そして、1年後結婚に至った。
たぶん、初回のデートでわかっていた。この先に進むことを。
そして二度目のデートで確信し、三度目のデートで行動に移した僕。
3回デートすれば、大体わかる。特にアプリだと「この先に進むか、進まないのか」の判断がしやすい気がする。
またアプリで、結婚相手を真剣に探している人は多い。それも同じで、「結婚するのか、しないのか」を期限付きで考えているような状態にもなるので、答えを出すのは早い。
だから進むときは、トントン進む。逆に進まないときは、それが答えだ。
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この記事へのコメント
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このフィーリングが合う人っていそうでいない。
???? 大勢いるけど。確かに、ビーガンだのグルテンフリーだのこだわってる人とは無理だけど、お酒飲むタイミング? だいたい皆一緒じゃない?昼間から飲むなよとか言ってくるオカンタイプもそうそういないだろうし。
面白過ぎるアンサー記事!