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東横線プライド。 Vol.9

武蔵小杉のタワマンには、マウント合戦がない!?港区からコスギに越した女が知った、自分に必要なコト

ジャージ×バーキンを近所のカフェで見ることはもうない


同じマンションに住む人々は内見でも思ったとおり皆感じがよく、服装はカジュアルな人が多い。ブランドずくめのギラギラ感もなくて頑張りすぎず、かといって無頓着でもない。そんな程良い感じが街の雰囲気を物語っていた。

耕太によると、タワマン内で行われているワイン会で知り合った武蔵小杉に住む人々は、士業やパイロット、大企業勤めのサラリーマンなど、安定した職業に就いた人が多いらしい。

港区で遭遇した“ジャージにバーキン”のような、主張が強めの富裕層は見かけなくなった。散歩をすれば、ベビーカーを押す夫婦がたくさんいる。そんな光景はいままで暮らしていた都心とは世界が違って見えて、軽いカルチャーショックを受けた。

しばらくしてから、私たちは幸運にも子どもを授かることができた。とはいえ、やはり自分が子を持つ親になることが、何だか信じられなかった。

そして妊娠5ヶ月が過ぎて安定期に入った頃、マタニティ&子連れヨガに通うことに決めたのだ。そこで出会った理沙さんは、いまでも子育ての相談をし合ったりできる、貴重なママ友のひとりだ。

彼女は、うちからすぐ近くのタワマンの最上階に住む2児の母で、元々は客室乗務員、旦那様は弁護士というドラマに出てくるようなスペック。だけど、いわゆる“最上階マウント”をするようなマダムとは真逆の、堅実で等身大なところに好感を持てた。

慣れない街で、いろんな話ができる友達ができたことは何よりも救いだ。

週末のクラブ通いを経て週3のグランツリー通いが板についた


港区に住んでいたころの私は、自分がどう見られるかをとても気にしていて、周りの女性たちに、何かにつけて勝とうとしていた。

そんな名残もあって、赤ちゃんグッズなどはあえて“グランツリー”では買わずに、都内の高級デパートまで買いに行っていたのだ。

あるとき、理沙さんと“グランツリー”に一緒に行った事がきっかけで、初めて『アカチャンホンポ』で買い物をした。あまりにも完璧な品ぞろえとコスパの良さを知り、いままで見栄を張って買いに行かなかった自分を恥じたのだった。

東横線プライド。

東横線が好きだ。便利とか、人気とか、そんな理由だけじゃない。

ふらっと降りた駅の商店街に、とびきりセンスのいい花屋があったり、帰り道に、静かに音楽が流れるバーがあったりする。

この沿線にいると「自分の暮らし、ちょっといいかも」と思える瞬間がある。そんな日々の中の、小さな“自信”をくれる街。

今回、東京カレンダー初となる沿線特集で、そんな東横線のまだ知らない魅力を深く掘り下げた。

いまよりもっと、この選択が誇らしくなる。あなたの東横線に、出合い直そう。

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