運命なんて、今さら Vol.4

「これって脈なし?」初デートの後、彼女から1週間連絡がない。いい雰囲気だったのにナゼ…

◆これまでのあらすじ

恋人いない歴7年。恋愛をあきらめて生きてきた税理士・寿人(32)は、趣味のソロキャンプ中に結海(28)と出会う。しかし結海は、この前の12月に別れたばかりの元カレ・研哉(28)と、まだ切れていない様子で…。

▶前回:1ヶ月前に別れた元カレにありえない「お願いごと」をされ…。28歳女が困惑した理由


《結海SIDE》


「じゃ、帰るね。お父さんもお母さんも、お疲れさま」

土曜の18時。結海は、実家のパン屋をあとにした。

1日中立ちっぱなしで接客をしたあとレジ締め作業を行い、さらに両親の肩もみまでしたので、もうヘトヘトだった。

― でも…忙しいのはありがたいこと。つぶれそうだったあの頃を思えば、頑張れるわ。

パン屋は、神楽坂の表通りから少し奥まったところに、ひっそりと佇んでいる。

もともとは一握りの常連さんが足繁く通ってくれていたお店だったが、彼らが高齢になり、10年ほど前から客足がみるみる減っていった。

そこに訪れたのが、コロナショック。

「このままではいよいよつぶれる」ということになり、思い切って大がかりな改装を実施したのが、今から3年前のことだった。

― あの決断は、正解だったなあ。

薄汚れていた白い外壁を赤いタイルで飾り、がたついたスライドドアをガラス製の引き戸に変更した。

それから、北欧から取り寄せた木製の大きなテーブルに商品を並べて売りはじめた結果、SNSで話題のお店に。

若い世代の来客数が一気に増加し、営業利益は今も、過去最高を更新し続けている。

― …全部、研哉のおかげ。

この「イメチェン」の立役者は、広告代理店を経営している元カレ・研哉だ。

結海は、彼に心から感謝をしている。

ただ、この一件を境に、二人の関係は大きく変わってしまった。

この記事へのコメント

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No Name
一日中立ちっぱなしで接客をした後にレジ締めして更に両親の肩もみまでしたのでもうヘトヘトだ。
はいはいご苦労さんね。どうも結海は苦手だな。彼女のキャラが話をより退屈にさせてる。客足がみるみる減って潰れかけてたパン屋。味の改良等はせずリノベしたら若い層に話題のお店になった?ならようござんした。利益は今も過去最高を更新し続けてるなら、週末もバイトさん雇えばいいんじゃない?
2025/01/29 06:3820返信2件
No Name
メッセージ送ったあと、お前!とか 〜〜しろよが口癖の研哉がどんな反応したのかまでを読みたかった。 寿人の妹が中トロの握りをそっと口に入れたとかどうでもいい事は来週でいいのに。 寿人が実の妹に恋愛相談するキャラとは予想外。
2025/01/29 05:5119
No Name
え?研哉との事を懐かしく思い出しながら彼の私物を発送しただけの話。結海サイドが長々と...寿人サイドは数行のみ? 😂
2025/01/29 05:1416返信3件
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