2024.11.24
男と女の答えあわせ【A】 Vol.243A2:悲観的で一緒にいて疲れてしまったから。
私が驚いたのは、悠のマメさだった。
初デートを終え、二度目のデートも比較的早くやってきたのだけれど、その間に朝晩2回ずつ、「おはよう」とか「おやすみ」とか送ってきてくれる。
それはそれで嬉しいけれど、私はふと考える。
― あれ?私たち、まだ付き合ってないよね…?
女は、どうしてこうも面倒なのだろう。連絡をくれない男性にはヤキモキし、腹を立てる。しかしその一方で、連絡をくれ過ぎる男性には興味がなくなっていく…。
とはいえ、悠は優しいし誠実なことが本当によく伝わってくる。だからこそ、私は大切にしたいと思っているし、三度目のデートも楽しみにしていた。
しかも悠は東京駅と丸の内のビル群が綺麗に見える、素敵なイタリアンレストランを予約してくれていたのだ。
「わぁ…綺麗!!」
東京らしい夜景は本当に美しくて、私は思わずスマホを向ける。「あぁ…綺麗だな」そう改めて、目の前の絶景に浸っている時だった。
後ろに立っていた悠が、不思議なことを言い始めた。
「綺麗だよね…でもさ、夜景を見ていると悲しくなる時ってない?」
「どういうこと?」
少し意味がわからなくて、私は悠のほうに体を向ける。
「例えばどこかのオフィスの電気がついていたら、こんな夜中でも、まだ働いている人がいるんだなーと思うと切ない気持ちにならない?」
― 悲観的すぎない…?
そう思う私は、楽観的過ぎるのだろうか。
「言われてみればそうかも…」
「あといつまで自分はこの社会の歯車の中で踊らされているんだろう…とか。色々考えるよね」
「悠くんすごいね。夜景見てそこまで考えたことなかったよ」
考えることは、人それぞれだし価値観も人によって違う。でもせっかくのこの美しい景色を前にして、わざわざそんなことを言う必要はあるのだろうか…。
「とりあえず、ご飯食べよう!」
話を変えたくて食事の流れへ持って行ったけれど、どこかモヤっとした気持ちが残る。
そして食事の最中も、やっぱりどこか悠は悲観的だった。
「悠くん最近お仕事は?忙しい?」
「うん、おかげさまで。でもちょっと落ち着いてきたかも」
「そうなんだ。毎日連絡くれるのは嬉しいんだけど…。仕事の邪魔をしていないかな?と心配になっちゃって」
連絡をもらえるのは嬉しい。安心するし、ありがたい。でもこちらも忙しい時は返信ができないときもある。
「ごめん、むしろ迷惑だった?送りすぎだよね」
「ううん。ただ朝と晩にLINEもらうのが久しぶりで。前の彼氏とか、本当に連絡してこない人だったから…」
男性の連絡頻度は、何に比例するのだろうか。愛情?暇な時間度合い?もはやわからなくなってきた。
「毎日連絡をくれるから、私のことが好き」。そうイージーに考えられるには、もう私は大人になり過ぎたのかもしれない。
「そっか、ごめん。気をつける」
「違うの!前の彼は逆に一緒にいない、会えない時間に彼が何をしているのかわからなくて、ずっと不安だったの」
「だよね?だからその不安を解消したくて」
悠は本当に優しいと思う。
でも優しさは、本当に私に矢印が向いている優しさなのだろうか?
もしかするとこの優しさは、悠自身の不安解消のための、連絡のマメさなのかもしれない。
それに最近は、一緒にいると私が気を使うようになっている。
「悠くんって、本当に優しいよね。私のことすごく気遣ってくれるし」
「もちろんだよ。沙希ちゃんのこと、大切にしたいと思っているから」
「ありがとう。嬉しい」
彼がまっすぐで良い人だからこそ、無駄に傷つけるのは申し訳ないし、そんなことはしたくない。
そう思えば思うほど、悠の気持ちに応える準備ができていない私は、どう対応すれば良いのかわからなくなる。
― どうしよう…。
色々考えると、余計に返信のスピードもどんどん遅くなっていく。
重過ぎてもダメだし、軽過ぎてもダメ。
連絡しなさ過ぎはNGだけど、あまりにも頻度が高いと、大人の恋愛ではうっとうしくもなることもある…。
恋愛って難しいし、何よりも女って本当にワガママだと、自分でも思う。
▶【Q】はこちら:「1日2回は多い?」付き合う前のアラサー男女、適度な連絡頻度の正解は?
▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟
▶NEXT:11月30日 土曜更新予定
女が婚約破棄を決めた理由は…
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