2024.11.17
男と女の答えあわせ【A】 Vol.242A2:すっぴんがあまりにも別人だったから
二度目のデートは土曜日だったこともあり、早い時間からの集合となった。
18時くらいから飲み始めたからだろうか。お互い酔いも回り、前回より距離も近い。
そして夜がふけるにつれ、楽しさも増してくる。1軒目を終え、2軒目へ移動しても僕たちは話し続けた。
「楓ちゃんといると、楽しいな」
「私も!晴翔さんといると楽しいし、もっと一緒にいたいって思っちゃう」
「何か、初めて会った気がしないんだよね。もっと前から知っていたというか…」
「わかる」
そんな会話をしながら、僕たちはお互い見つめ合う。そして気がつけば、手を取り合っていた。
― この流れと空気感……。
こうなると、もうパターンは決まっている。
何も言わないまま二人で一台のタクシーに乗り込み、僕の家を目指すことになった。
目の前のコンビニに一度寄ってから一緒に僕の部屋へ入ると、楓はキョロキョロと僕の家を見渡している。
「そんな見ないで(笑)何も出てこないよ」
「あ、ごめん。つい…。一旦、化粧落としてきても良い?」
「うん、もちろん」
洗面台に化粧を落としに行った楓を待ちながら、僕は少し照明を落としたりして準備をしていた。
― 明るすぎるのは嫌がるだろうな…。
そう思ったので、僕なりの配慮だった。しかし結果として、これがダメだったのかもしれない。
「私、すっぴんだとだいぶ違うから恥ずかしいな…」
そう言いながら、洗面所から戻ってきた楓。
「そうなの?照明が暗いから、わからないよ」
本当に、照明が暗かったせいで、僕は楓の顔がハッキリとは見えずにいた。
そしてもちろん、楓は色々と気にしていたようで事前に確認を取ってきた。
「晴翔くん。私は、一晩限りの関係とかになるのが嫌で…」
「もちろん。俺も33歳だし、“遊びたい”とかないよ。一夜限りで終わるとかは基本的にないし、ちゃんと考えてるから」
「ここまで来て…」とは思ったけれど、もちろん僕だって適当に遊ぶつもりはなかった。
だからこの時までは、本当に一夜限りのつもりはなかった。
しかし事を経て、目が覚めた時。僕はとても不思議な、イリュージョンのような光景を目にすることになる。
「おはよう…」
そう言いながら、眠い目をこすって隣にいるはずの楓を見てみる。
しかしそこには、僕がまったく知らない女性がいた。
― え……?誰…!!??
僕の目が悪いからだろうか。そう思ったけれど、隣にいたのは紛れもない楓だった。しかし別バージョンというか、眉毛がまったくない状態の楓がいた。
― 化粧を落とすと、別人過ぎませんか…?
ルッキズムになるから、そんなことで判断してはダメかもしれない。しかしあまりにもスッピンと化粧をしている時の顔が違い過ぎて、ショックで言葉を失ってしまった。
しかも本人にも自覚があるのか、じっと見つめる僕の視線を避けるかのように、そそくさと支度をして出て行ってしまった楓。
「ごめん、帰るね」
「え?うん、わかった」
そう言って去った後も、僕はしばらく呆然としていた。そして、自分の中で何かがサーっと引いていくのがわかる。
― 100年の恋も冷めるって、こういうことを言うのかな…。
最初からわかっていれば、違ったと思う。
しかしここまで化粧マジックがすごいとどうすれば良いのかわからない。それに今は、アートメイクとか色々あるだろう。努力次第で何とかなるはずだ。
― いや、でも僕がどうこう言う資格もないしな…。
せめて初回くらい…欲を言えば、もう少しだけ完全なるスッピンを見せる前にもっと仲良くなっておきたかった。
初めて家に来て、初めてのお泊まりなのに、気を許しすぎては?とも思う。そして完全なゼロ状態を見せられるとそれ以上深掘りする気も起きなくなってくる。
― でもいい子だしな…。
そう頭ではわかっているけれど、どうしても気持ちが追いつけずにいる。
▶【Q】はこちら:初めてお泊まりした翌日から、急に彼から連絡が来なくなり…これって、遊ばれた?
▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟
▶NEXT:11月23日 土曜更新予定
運気を下げる相手とは?
“気がつけば、手を取り合っていた。― この流れと空気感……。もうパターンは決まっている”
やり逃げ常習犯ぽいけどなぁ。楓の性格にも惹かれたなら付き合うでしょう!で、眉毛のアートメイク代プレゼントしたら?笑
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