男と女の答えあわせ【A】 Vol.239

デートに鉄板の「ノースリーブニット」で登場した30歳女。しかし、男が帰りたくなったワケ

A1:ルックスが良かった。


愛と出会ったのは、食事会だった。先に着いていたメンバーで飲んでいたところ、遅れてやってきた愛。

― スタイル良くて、可愛い子だな。

ひと目見た途端に、そう思った。スラリと長い手足に小さな顔。その顔のパーツ一つひとつも綺麗だ。

しかも愛も興味を持ってくれたのか、僕の隣の席に座った途端に、意外にグイグイと来た。

「初めまして、愛です」
「初めまして。大毅です」
「大毅さんは、何のお仕事をされているんですか?」
「僕は自分で一応、会社をやっています」
「そうなんですね。すごい!」

話も盛り上がったので、連絡先を交換した。そして翌日、僕は早速愛を食事へ誘ってみる。するとOKをもらえ、僕たちは代官山にあるイタリアンへ行くことになった。

しかしこのデートで、僕は既に、大きな“読み間違い”を犯していたのかもしれない。


迎えた二人きりでのデート。今日も愛が登場した瞬間に、場が一気に華やいでいく。

「愛ちゃんって、本当に美人だよね。何かそういう芸能系というか、モデルとかの仕事してたの?」
「何もしていないですよ〜」
「そうなんだ。絶対、そっちでもいけるよね」
「ありがとうございます♡」

嬉しそうにシャンパンのグラスを傾ける愛。その姿を見て、今日のデートを楽しみにしていた僕は、勝手にテンションが上がっていく。

しかも愛はたくさん質問を投げかけてきてくれる。これも、嬉しいポイントだった。

「大毅さんは、具体的には何系の会社を経営されているんですか?」
「僕はIT系の会社だよ。まだ立ち上げたばかりだけど」
「そうなんですね。いつ起業されたんですか?」
「3年前になるかな」

ビジネス自体は上手くいっているけれど、まだまだこれからだ。やるべき事も、やりたい事もたくさんある。

そんなことを考えながら、実は最初から少し気になっていたことを愛に投げかけてみた。

「愛ちゃんはお仕事、外資系だっけ?」

初対面の時から思っていたこと。それは、愛の持ち物が妙に華やか…というよりも、自力で買えるのかどうかわからないような高価なブランド物が目につくことだった。

しかも手を見てみると、大きなダイヤの指輪が輝いている。

― これって…誰かいるのかな。

そう思わずにはいられないような装いだ。


しかし愛の話を聞いていくうちに、それは大きな誤解だったと知る。

「そうです。外資系のブランドで働いています」
「だからか…!すごいオシャレだし、持ち物も華やかだなと思って」

ハイブランドで働いているならば、購入する機会も多いだろう。社割もあるのかもしれない。

「“誰かいるの?”とか誤解されることも多いんですけど、頑張って働いてます!」
「そうなんだ。えらいね。ずっとその会社で働いているの?」
「前は違うブランドにいたのですが…」

― そっか、この子は自分で頑張って働いたお金で買っているんだ。

そう思うと納得がいくし、むしろ「疑ってしまって申し訳ない!」とも思った。

それにデート自体も楽しかったし、僕は疑問が解決したところで、再度愛をデートに誘ってみたくなった。

「愛ちゃん、また食事付き合ってもらえないかな」
「もちろんです」

ただ次のデートで、「やっぱりこの子って…」と思うことになる。

この記事へのコメント

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No Name
昨日も思ったけどこんなにもあからさまにお金目当てな人いる?
逮捕された紀州のドンファン妻が浮かんだけど、◯万人に一人いるかどうかって感じじゃない?
2024/10/27 05:2030
No Name
さすがに愛は何もかもがダメでNGだらけだった。答え合わせするまでもない位!
2024/10/27 05:1628返信3件
No Name
愛が持ってたバッグは、結局どこのハイブランド設定だったんだろう? 初回は確か30万代って事は、例えばセリーヌとかフェンディとかのミニバッグ?(しか買えない) 二回目はどこのブランドだったんだか?
港区に染まった女でも婚活ならハイブランドや華美な服装は控えて猫被りするのに。愛のバカさ加減半端ない😂 大輝は普通の会社員よりは稼いでるけど外銀マンよりは下回るのね? なら虎ノ門の高級レジデンスに住む設定
はちょっと…
2024/10/27 05:3025
もっと見る ( 23 件 )

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