2024.10.18
年収4,000万男子の恋愛事情 Vol.6
「ホットコーヒーとカフェラテ、それからこのサンドイッチをテイクアウトでお願いします」
近所のカフェで会計をしていると、香澄からメッセージが届いた。
『香澄:翔馬さ〜ん♡来週ってどこか空いてます?ごはん行こ?』
― やば。連絡し忘れてた…。
前回は香澄の方からデートに誘ってくれたので、次は自分からと思っていたのに、今回も彼女に言わせてしまった。
正直、熱烈に惹かれているわけじゃないのだが、行かない理由も見当たらない。
香澄は男心をくすぐるのが上手だし、顔も仕草も抜群に可愛いし、昨夜のデートもずっとニコニコしていた。
比較するのは申し訳ないが、やはり玲よりも香澄のような女性の方が男性にはウケがいいのは、言わずもがな。
『翔馬:木曜日なら17時に打ち合わせ終わるから、そのあとどうかな?』
『香澄:もちろん大丈夫!次は翔馬さんの食べたいものにしましょ♡』
『翔馬:OK!店決まったらまた連絡するね』
そこまで送ると、ちょうどコーヒーが出来上がり、俺は玲が待つ自宅へ急いで戻った。
すると彼女は、すでに着替えを済ませていて、コーヒーを一緒に飲むこともなく、帰っていった。
◆
翌週の木曜日。
俺は、香澄とのデートに六本木にある『YAKITORI 燃』を選んだ。
「わ〜い!焼き鳥、嬉しいなぁ。ヘルシーだから太らないし〜♡」
最初のデートがフレンチだったので、どういう反応をするか心配していたのだが、香澄が喜んでくれたので安心した。
「よかった。香澄ちゃんは何食べても太らなそうだけどね」
「そんなことないですよ〜!運動もしてないから」
彼女はいつも通りシャンパーニュ、俺は生ビールで乾杯する。
「香澄ちゃんって、どうして今も秋山さんと仲良くしてるの?大学生の時にバイトしてただけだよね…?」
香澄は大妻女子大出身で、その時に秋山が経営する和食店で働いていたことは、前回のデートで聞いた。
でも、大人になってからも会ったりするものだろうか。
― もしかして、男女の仲だったり?
失礼にもそんな考えが頭をよぎる。
「実は私、当時28歳の店長と付き合っていたんですよ。学生だったから大人がかっこよく見えたんでしょうね。でも、彼が別れた後もしつこくて…」
その店長がストーカーになったこと、警察に相談してもパトロールしたり注意するくらいで、接近禁止命令も意味がなかったという。
そんなとき香澄を助けてくれたのが、秋山だったそうだ。秋山が元彼に何をしたのかは教えてくれなかったが、相談してからパッタリと姿を見せなくなったらしい。
「だから、秋山さんは第2のパパっていうか…あっ、変な意味じゃないですよ。ていうか、むしろママ?なんていうか、お父いや、お母さんって感じなの」
「大丈夫だよ、わかってるから」
「よかったぁ。じゃあ、私の話は終わりね!翔馬さんは、今までどんな人と付き合ってきたの〜?まぁ、全員美人なんだろうけどっ」
コースも終盤に差し掛かり次がデザートとなった頃、香澄は俺に聞いた。
「いやいや…まぁ、否定はしないけど。そうだなぁ、共通してることが何かあるかな……ん?」
歴代の元カノたちの顔を思い出しながら、ふと奥のカウンター席に視線を移すと、見覚えのある顔が並んでいたので驚く。
「翔馬さん、どうしたの?」
「いや…秋山さんとミナちゃんがそこに座ってるから」
「あ、ホントだ。全然気付かなかったぁ。向こうはこっちに気付いていないみたいですね」
― デ―ト…?まさかな。
「あのふたりお会計してますね。この後どこに行くのかなぁ…翔馬さん、ふたりの後ついて行ってみません?」
香澄はニヤリといたずらな表情をする。
秋山が食事会に連れてきた3人の女性のうち、玲は取引先の蔵元の娘、香澄は元スタッフ。
ミナだけが仕事のつながりがない。だとすれば、秋山が3人の中で唯一女性として見ているのはミナなのではないだろうか。
なんとなくふたりの関係が気になって、俺は香澄の提案に乗ることにした。
▶前回:東大卒で商社勤務の29歳女が酔った勢いで、大胆な行動に。深夜1時の麻布十番で男と…
▶1話目はこちら:「LINE交換しませんか?」麻布十番の鮨店で思わぬ出会いが…
▶Next:10月25日 金曜更新予定
ミナと秋山が向かった先とは…
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