東京に点在する、いくつものバー。
そこはお酒を楽しむ場にとどまらず、都会で目まぐるしい日々をすごす人々にとっての、止まり木のような場所だ。
どんなバーにも共通しているのは、そこには人々のドラマがあるということ。
カクテルの数ほどある喜怒哀楽のドラマを、グラスに満たしてお届けします──。
▶前回:「3ヶ月で離婚なんて…」“好条件の男”と結婚してすぐに、別れを切り出された28歳妻は…
Vol.13 <アイオープナー> 黒井由依(22)の場合
「じゃあ、私そろそろ帰るね。また明日」
橙色に染まっていく窓からの景色を見ながら、由依は帰り支度を整えて言った。
「あ…。黒井さん、お疲れさま」「気をつけて」と返すのは、おとなしくて人の良さそうな男の子たちばかりだ。
由依の所属する東京大学工学部のゼミには、由依のほ......
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この記事へのコメント
先週由依の印象はあまり良くなかったけれど今日読んでなんだか応援したくなったよ。
大学一年の頃すごく好きだった人を思い出しました。