年収4,000万男子の恋愛事情 Vol.5

飲み会の帰り29歳女とタクシーに乗ったら、想定外の展開に。深夜1時、2人で向かった先は…


同じく玲に呼び出され、先に一緒に飲んでいた元太の顔を見ると、口パクで「悪りぃ」と言っている。

それにうなずいて応えるが、元太が謝るのも違う。

ここに来たのは、俺がそうしようと思ったからで、あの食事会で第一印象では、香澄でもミナでもなく、玲のことが良いと思ったのは事実だから。

― それにしても、まさか1日で3人に会うことになるなんて…。

有り難いことではあるのだが、味の濃い料理を食べ続けたような胃もたれ感もある。だからだろうか、元太に注いでもらった日本酒が全然入っていかない。

「玲ちゃん、何か食べたほうがいいんじゃない?その感じだと、お酒しか飲んでないよね」

酒のアテが欲しいが、ひとりでは食べきれない気がするので、優しさを見せるフリをして玲にメニューを渡した。

「やだ…どうしてわかるの?」

「だって、この前より酔ってるじゃん。玲ちゃんお酒強いのに、わざとそうしてる気がして」

玲が俺をじっと見るので、思わず目を逸らした。照れとか緊張ではなく、なんだか怖かったからだ。

「じゃあ、食べる。貝以外ならなんでもいいから、翔馬くん選んで」

「オッケー」

俺は、女王の命令どおり、貝なしの刺身の造りと、あん肝ポン酢、それから腹にたまりそうなカニの花シュウマイを注文した。

「ところで、君たち何時から飲んでるの?」

「何時だっけ…ん〜20時?いや、21時くらいかな」

「それならまだ2時間だろ?結構酔ってるよな。ハイスペースすぎないか?」

元太の肩に手をやると、不気味に笑い出した。


「はっはっは!はぁ〜酔ってるよ。ていうか、飲まされてるんだよ!玲たんが飲む度に乾杯させられて、それを一気しなきゃ怒られんの。こえーよ」

元太が嘆くが、玲は気にする様子もなく黙々とシュウマイを食べている。

文句を垂れながらも、どことなく元太が嬉しそうなのは、ドMだからなのだろう。

「あとね、この子見た目によらず“拗らせ女子”よ。これまで男運がなかったのか、それとも男を見る目がないのか…男心をまるでわかってないんだよな〜」

― おいおい。さすがに玲がキレるんじゃ…。

そう思ったが、玲の表情はさっきから変わらない。

この記事へのコメント

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No Name
本人が教えてないのに、人伝てでどこに住んでるか予め聞いておいて半強制的にタクシーでそこに向かうとか怖過ぎ😂
2024/10/11 05:2339
No Name
昨日の主人公と話の流れとがどうも似てるように感じてしまう。 何故、高学歴なのに安っぽい女設定にするんだろう…
2024/10/11 05:1225返信2件
No Name
女3人ともただただ変。
2024/10/11 06:2717
もっと見る ( 12 件 )

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