2010.09.21
『幸せになる、 小さなお店。』 Vol.3幸せになる、小さなお店。
ひとつになった、愛する気持ち。
オーナー・安生浩氏を中心に、店舗の前で和気あいあいと語り合う15人の面々。彼らは連日賑わう人気店を切り盛りするスタッフたち。現在、店はこの『ポン・デュ・ガール』を筆頭に、全部で4軒。すべてが10坪前後の小さな店だ。
「大箱に大勢のお客さんという商売の方が楽なんでしょうけど、僕はそれを目的にやってない」と安生氏は語る。ここまで成長したのは世間のニーズや自分たちの中でこれが必要と感じたものだけをやってきた結果。「会社を大きくしようと思ったことは一度もない」。
スタッフの結束力は固く、全員集結も頻繁。この日は、パワーを充電するために皆で行く、秋の北海道旅行の話で盛り上がっていた。「部活動みたいなもの(笑)」。スタッフの中には、客として通っていた常連から入店した人も。「あの彼がそう。けど、皆、一度は来てますよ。働きたいと電話をくれた時に“どうしてウチです?”って聞くと“行って雰囲気が良かった”とか、“ああいう店がやたい”って皆が答えてくれた」
誰もがこの小さな店を心から愛している。だからこそ、メニュー考案など、店作りにも積極的に参加。居心地の良さを知るスタッフが自分の考えを盛り込んで、各店の魅力はどんどん増しているのだ。
「小さい店舗だと早く決断できるのもメリット。出店に関しても、何かを変える時も的確に素早く対応できる。僕は、将来的には皆が夫婦ふたりで商売をやるのがベストだと思っている。だから、この経験は今後にきっと役立つ」
小さな店には愛が詰まっている。
2005年、安生氏を含むふたりで始めた1号店。ボリュームある料理を供し、ボトルも安価で揃えたワイン食堂だ。イメージしたのは、ボトルに直接、値段を書いて売っているパリ10区の『ル・ヴェール・ヴォレ』 。以降、気取らないビストロスタイルは各店の軸に。
スタッフが4人になったのを機に出店を決意。「僕の通勤ルートだった八丁堀で物件を見つけて」2007年にオープン。前年の現地視察を受けて、よりフランス色の強いビストロとなった。雑誌など、メディアでも多く取り上げられ、なかなか予約の取れない人気店に。
※こちらの店舗は、現在閉店しております。
連夜満席の続く既存店に入れなかったゲストを迎えるべく、今年の2月に開店。それゆえ夜は予約を取らないワイン居酒屋とした。初となるランチの営業はカレー専門店。「カレーを覚えておけば、いつでも独立できる。1人5坪でもカレー屋はできるから」と安生氏。
今年7月にオープンした最新店。腹一杯食べ、ワインをガブガブ飲
んで、それで安いというコンセプトは当初のままだが、初めてイタ
リアンを謳ったのが特徴。現地さながらのボリュームある料理を供
している。ワインもイタリアを中心に各国の銘柄をリストアップ。
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