ややもすると抵抗感のある「ちょうちん」だけは、特にいいお店で食べたいという私も満足したひと串。パチンと口の中でたまごの旨みが広がり、それを味わい、一呼吸置いてベルギービールを流し込む至高の時間。タレも甘過ぎず、スキッとしているのも私好み
堀さんの笑顔がカウンターの客に伝播し、和やかな店内。15年前に焼き鳥とベルギービールの店『ホップデュベル』を新橋にオープンさせ、7年前にこちらをオープン。「料理を食べ、元気になってもらいたい」そんなブレない信念が、人気店を持続させる秘訣なのだろう
ベルギービール愛の強い堀さんがセレクトした3本がこちら。安くはないので、じっくり楽しみたい。ボトルは750ml、グラスで3杯ぐらいが目安。左.私も楽しんだ「ボンヴー」ボトル 4,620円。熟成シャンパンのような味わい。中.「デュベル」ボトル 3,460円。世界一魔性を秘めたビールと称されている。右.「ドゥシャス デ ブルゴーニュ」ボトル 4,370円。赤ワインのようにゆっくり味わうビール
某日19:00頃のエントランス。『とり口』のオープンは17:00と比較的早く、食事を終えてさっと帰っていくビジネスマンもちらほら
ウッドを基調とした店内にある横一辺に10席も並ぶカウンターは圧巻。ガラスで仕切られた焼き台や換気システムのおかげか、店内に煙臭さは皆無でデート利用にもぴったり
写真は右から、胃袋の先端「とっくり」、ネギをたっぷり忍ばせた「塩つくね」、柔らかい内もも「あか」。厳選した地鶏は「土佐備長炭」と「紀州備長炭」を使い分け、近火の強火で香ばしくジューシーに焼き上げる
名物「玉子とカラスミ」。ポーチドエッグにカラスミを振った一品で、トーストに乗せて食べると焼き鳥店に来たことを忘れてしまう別次元の美味しさに遭遇する
ワインのラインナップはほぼすべてソムリエが選んだナチュラルワインで統一。この日いただいたのは「ウィヴォ クルティド」1,300円(グラス)
大塚駅前の再開発の象徴ともいえるビル「ba05」にお店はある。駅近というより、ほぼ直結。入り口付近にはコシノジュンコさんのアートが出迎える。店内に足を踏み入れると、雑多な駅前の空気とは一線を画す、凪のような静かな空間が広がる。大塚の街を望める
この日は焼き場の目の前の特等席でたっぷり2時間。大将の小山さんは26歳という若さながら、店を任された。安定感のある焼きと接客で、年齢を聞いて驚いたのは秘密
メニューはストップ制の「おまかせ」で、12~13本で10,000円前後。印象的だったのが上記の3本。特に脂の美味しさが際立った「ぼんじり」(手前)は甘辛いタレで脳天を突き刺す旨さ
ワインは赤白泡ロゼを常時100種類以上そろえる。ボトルも豊富だが、ペアリングのような形でオーダーできるのが嬉しい。グラスワイン 900円~。スタッフの皆様の説明も明快
「半熟卵かけご飯」650円。米粉を付けて半熟卵を揚げているので、香ばしさが段違い
店があるのは、注目店が軒を連ねる「キラー通り」から一本入った小道沿い。夜になると袖看板に「焼鳥今井」の文字が浮かび上がる
キッチンを囲むカウンターは、全30席と焼き鳥店としては圧巻のスケール。完璧に火入れされた串を、抜群の臨場感の中で楽しめる
焼き鳥はクリアな味わいが魅力の伊豆「天城軍鶏」を使用。端材も活用した「もつミックス」。生肉の状態でタレ漬けすることで深いコクが生まれている
男所帯のスタッフ。右から、梶川さん(キッチン・ホール)、國方さん(キッチン・ホール)、野島さん(料理長)、今井さん、平間さん(副料理長)、玉城さん(キッチン・ホール)
ビルの2階に上ると店の入り口がひっそりと佇む。予約時に伝えられる暗証番号で入店が可能に。会員になると指紋認証で入る仕組み
黒をベースとした店内には、カウンターの他個室もある
大山鶏を使用し、女性でもさまざまな種類を楽しめるよう、小ぶりなサイズに。左から、コースの最初に出す自慢の「ももねぎ」、塩とタレが1本になった「つくね」、歯応えが心地良い「はらみ」、絶妙な火入れの「きもとろ」
2階へはエレベーターで他のフロアの客と会うことなく入店できるため、芸能人のお忍びとして使われることも
屋号が入った提灯が客を優しく迎える。開店は2018年。「始めはうまくいかなくて。でも、焼き鳥の本質を極めようと実直に商売をしていたら、常連がだんだんと増えていきました」。いまや取材中も予約の電話がひっきりなしな人気店に成長。春には2号店も開店するそう
「高級焼き鳥店で食べた焼き鳥が美味しくて自分でも店を出したいと考え、ミシュランの星つき店で修業し、自分の店を開きました」と大将の高橋将浩さん
日本酒が充実しているのも嬉しいポイント。常時10種類以上の日本酒が用意されているそう。この日頂いた「裏鍋島」(1,300円/一合)は、すっきりとキレのある味わい。なかなか市場に出ないレアもの!「自分の足で美味しいと思ったお酒を探しています」と高橋さん