作中登場の老舗ワイン商特選スーパーセカンドのワイン
嵩倉:とはいえ、おうちで20万円もするラフィット片手に「キングスマン」を観るわけにもいかないし、ワインは何にします?
柳:第二作『キングスマン/ゴールデン・サークル』で、キングスマンのエージェントが全員襲われてエグジーとマーリンだけが生き残り、ふたりが向かう酒屋がある。
新谷:物語のラストではその酒屋の隣にテイラー「キングスマン」を新たにオープンさせますよね。
柳:そうです。それはロンドンに実在する1698年創業の老舗ワイン商『ベリー・ブラザーズ・アンド・ラッド(以下、BB&R)』。
名だたるボルドーのシャトーも、昔は自分のところで瓶詰めなどせず、樽のまま売られていました。その樽を買い付け、瓶詰めしていたのがワイン商で、BB&Rもそのひとつ。
今でも時折、BB&R詰めのラフィットやマルゴーをオークションで見ることがありますね。
嵩倉:調べてみたら、英国王室御用達の紋章が!
柳:まあ、それだけ歴史あるワイン商なので、造り手からの信頼も厚い。そこで今回、選んだワインはこれ。ベリーズ・オウン・セレクションの「サン・ジュリアン」。
見た目はジェネリックなただのサン・ジュリアンなのに、その実態はボルドーのスーパーセカンド「シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ」がBB&Rのために特別に醸造したワイン。
シャトーの若木からなるラス・カーズのサードラベル的存在。それがこの値段ならじつにお買い得。英国紳士っぽく、グレービーソースを添えたローストビーフとともにこのワインを味わいたいね。
「Berry Bros. & Rudd St. Julien 2018 Ch. Léoville Las Cases(ベリーズ・サンジュリアン 2018 シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ)」
マリアージュをお届けするのはこの3人!
幅広い分野の雑誌で執筆を手掛け、切れ味あるコメントに定評があるワインジャーナリスト。「キングスマン」シリーズ鑑賞後は、妙に所作が紳士的になるとかならないとか。
映画を中心に、書いたり取材したり喋ったり。年末年始は柳さんオススメのワインを復習しつつ、シリーズものを一気見したい。もちろんひとりより、ふたりがいいけれど……。
本連載の担当になって7年目に。ワインの知識は着実に積みあがっていると信じ、柳氏にしがみつく日々。好みは、スーツを仕立てていて、気楽に“赤ちょうちん”も行ける人。
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