散歩のついでに行く? 東京散歩ごはん Vol.12

dining
新宿

吉田類が指南するオトナの夜散歩。横丁はしご酒のススメ

curated by
吉田 類

右.鰻は身の部分だけでなく、えり、ひれ、きも、レバーを串焼きにする 左.昭和23年創業。カウンターだけの小さな店

カブト

カブト

大衆酒場のカリスマと思い出横丁を飲み歩く

まだ暮れなずむ夕方5時、吉田類氏に会うべく新宿西口の思い出横丁へ。待ち合わせの店『カブト』を覗くと、すでにご本人は軽快にビールを呷っていた。

「ここは鰻の名店。頭から尻尾まで全部食べさせてくれるんです。なんか命を頂いてるって感じがするよね」と幸せそうに串を頬張る。

吉田氏と言えば、テレビ番組『酒場放浪記』の出演で注目を集める大衆酒場のカリスマ的存在。離れた席から「いつも見てるよっ」と気軽に声が飛んでくる。

右.箸ではなく串でつまむのがこの店の流儀 左.実に楽しそうに飲む吉田氏。すぐに周囲の場が和んでいく

右.色鮮やかな和牛れば刺し。芝浦の食肉市場から直送される新鮮な肉で勝負する 左上.昔ながらの炭火にこだわり、肉の種類ごとに焼き方を変えるもつ焼は種類も豊富 左下.昭和22年創業した同店。思い出横丁では古参のひとつ

ダイニ ホウライヤ

第二宝来家

わずか1時間程で「次行こうか」と席を立つ吉田氏。「モツが新鮮でね、いい店があるんだよ」と『第二宝来家』の暖簾をくぐる。それにしても、なぜ毎晩飲み歩くのか?

「だってお酒ってすごいじゃない。飲めば元気がでる。萎えた心を鼓舞してくれるでしょ。それにお酒は人と人を繋ぐ素晴らしいメディア。大衆酒場はみんな仲良くなれる“酒縁社会”でもあるんです」

なるほど、彼の周りでは客も店主も屈託がない。

夜8時。店を出つつ、ひと晩で何軒ハシゴするのか聞いてみた。

「5~6軒は行きますね。出会いを求めて飲み歩くことで、本当の酒場文化に触れられるんだもの。やめられないな」

そう語りながらモツ焼きの煙たなびく横丁へ、足を踏み出した。

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