都立大の住宅街の孤高のグルメスポット『中華わさ』

岐阜の猪の低温調理。フレンチのコンフィの手法を取り入れた逸品

5年先を見据え進化し続ける料理
『チャイニーズレストラン わさ』

「旨みは手間、味は引き算」

オーナーシェフの山下昌孝氏は、こう語る。一見、相反する禅問答のように聞こえるが、供された料理を口にすれば氷解。

例えば、「岐阜の猪の低温調理」。白磁の皿のキャンバスにはカボチャペーストで鮮やかなコントラストを描き、猪は、低温でじっくりと熱を通すことでほんのりとした桜色と柔らかな食感、独特のコクを表現。

さらに、筍、九条葱、生姜、さつま芋の炒めを添える。徹底的にかけた手間は、ひとつひとつの食材の食感、濃密な味わいがしっかりと舌を楽しませ、心弾むようなひと皿へと昇華するのだ。

揖保乃糸葱めん。鶏ガラスープのほっとする味わい

「手間は惜しまないけど、余計なものは出来る限り加えない。今、何を食べているかが分かるのが理想なんですよ」

山下氏が店を開いたのは’09年のこと。駅から10分を超える場所にありながら、いつしか連日客が押し寄せる人気店に。その理由を聞けば「5年先の展開を考えて行動していたからなのかもしれません」という。この「5年先を考えて行動する」は、山下氏がずっと心に抱いている言葉である。

『わさ』をオープンさせる前の約2年半を山下氏は岐阜で過ごした。名店『開化亭』の古田等氏に師事するためである。

「完全に一目惚れですね。シェフのようになりたい、料理人として本気で生きていきたいと、初めて思えた出会いだったんです」

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