男と女のブランルージュ Vol.12

離婚前夜、最後のディナーをしているうちに2人の気持ちに変化が。ワインがきっかけで…

愛おしい人といるときは、何気ない時間が特別なものに変わる。

そして、2人の時間をよりスペシャルなものにしてくれるのが、ワインだ。

ワインには、香りと舌の記憶とともに一瞬を永遠に留めてくれる不思議な力がある。

今宵も、ボトルの前に男と女がいる。

長い年月を経て、このテーブルに辿り着いたこのワインのように、とっておきの物語が紡がれる。

▶前回:「付き合いたいけど、友情が壊れるのが怖い」28歳女が思い切ってバレンタインに誘ってみたら…


Vol.12『離婚前夜』藤吉遼平(33歳)


藤吉遼平は明日、離婚する。

「理由は?」

周囲に離婚を報告するたびに聞かれるがいつも困る。

自分でも理由がわからないからだ。

遼平が浮気したわけでも、1つ年上の妻・那奈が浮気したわけでもない。

結婚して3年。出会いから数えると6年を共に過ごし、気づけば互いに男女としての愛情が失われていた。

遼平にも那奈にもその自覚があった。

「相手のことを嫌いになる前に、友達に戻らない?」

言い出したのは遼平だが、那奈もすんなり同意した。

幸か不幸か2人には子どもはいないため、離婚の決断は難易度が高いものではなかったのかもしれない。

「夫婦として最後の夜は、自宅で一緒にゴハンを食べよう」

そう約束し、ついに今日その日を迎えた。

汐留にある電機メーカーで働く遼平は、いつもより早く退社した。そして、帰路で、あらためて考えていた。

― どうして那奈とうまくいかなかったんだろう?

汐留の放送局に勤める那奈のことを、遼平は最初運命の相手だと思った。

なのに、どうして結婚は失敗に終わったのか。

自分でも理解していない。

最後の晩餐となる今夜、せめてその理由には辿り着きたい。

この記事へのコメント

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No Name
離婚前夜に気付いたお互いの大切さ?
同じ造り手のワインを買ってきた事がきっかけで「夫婦第2章」が始まるのかな♡
2024/02/09 05:2026返信1件
No Name
似た者同士だからこそ意見が割れた時最後は自分の言い分を通したくてぶつかってしまってたのかねぇ。で、最終的には恨みっこなしジャンケンとかそれも悪くないけどこれからはお互いの意見を尊重し合える夫婦に変わる気がするので良かったのかなと。
2024/02/09 05:2522
No Name
まだ間に合うなら、離婚するのは勿体ないかな。話せば大丈夫でしょう。
2024/02/09 07:1017
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