一流フレンチ「フロリレージュ」が考案！フランス料理の奥深き世界がわかるお酒とは？(2/2)[東京カレンダー

鹿山氏が驚いたフレンチとバーボンの相乗効果！

【ペアリング②】ストレートに合わせるのは、焦がしバターをたっぷり含ませた生地と、アーモンドを使ったカスタードクリーム、バニラクリーム、リンゴのコンポートを重ねたタルト。上品な甘みがストレートの芳醇な味わいを助長する

鹿山：ウッドフォードリザーブはバーボンにしては珍しくポットスチルで3回蒸溜されているので、なめらかな味わいで懐が広いんですよね。僕もカクテルを創作するときに重宝しています。

川手：その通り。作り手の自由な発想を促してくれると実感しました。

ハイボールとペアリングさせるために考案したカブのお料理はその極み。ウッドフォードリザーブにはウリやキノコのニュアンスも感じられたので、カブを使うという発想も生まれました。

【ペアリング③】ハイボールの炭酸の口当たりと好相性なほろほろとしたパイ生地の中には、いまが旬のカブが。その脇には、複雑な香りの白トリュフと、なめらかなカブのソースが添えられている

鹿山：カブの料理とハイボールの組み合わせは特に印象的です。カブの香りを炭酸が押し上げ、余韻が心地よかった。トウモロコシ畑の横に野菜畑が広がる風景が目に浮かびました。

僕の父親は酪農もやる農家だったので、ダイコンやニンジンなどの野菜のほかに飼料用のデントコーンも栽培していたんですけど、当時を思い出して懐かしい気持ちにもなりました。

予定調和でないペアリングだから為せたマリアージュだと思います。

川手：ウッドフォードリザーブは自由に味わっていただきたいバーボンですね。意外かもしれませんが、トマトも合うはず。

ちなみに、僕は仲のいいシェフたちとホームパーティーをやるときに迷ったら焼きトマトを出しています。

鹿山：気になる会ですね……。

川手：ぜひ、今度ご一緒に！

麻布台ヒルズに移転して“ターブルドット”の店に進化
『フロリレージュ』

野菜に深くアプローチする料理はそのままに、フルオープンの厨房を囲む大規模な劇場型から、より親密で寛げるようにひとつのテーブルを囲むターブルドットのスタイルへ。

■店舗概要
店名：フロリレージュ
住所：港区虎ノ門5-10-7 麻布台ヒルズガーデンプラザD 2F
TEL：03-6435-8018
営業時間：【月・火】18:00～22:00
　　　　　【水～土】ランチ 12:00～15:00
　　　　　　　　　　ディナー 18:00～22:00
　　　　　【日】12:00～15:00
定休日：無休
席数：カウンター22席、テーブル8席

農家に生まれ育ったオーナーが“Farm to Glass”を実践
『ベンフィディック』

「農家バーテンダー」を自称する鹿山博康氏が、自生する日本在来種の草根木皮や、父から引き継いだ埼玉県ときがわ町の畑で栽培したハーブ類をカクテルにして提供。

■店舗概要
店名：ベンフィディック
住所：新宿区西新宿1-13-7 大和家ビル 9F
TEL：03-6258-0309
営業時間：18:00～25:00
定休日：不定休
席数：カウンター7席、テーブル3席