
母子だけで、東南アジアへ教育移住。3ヶ月後「もう日本には帰らない」と10歳の息子が言ったワケ
「グローバル社会において英語はマスト」
これは子どもを持つ親の共通認識だ。
2020年より小学校でも英語が必修科目となり、また私立校では独自の英語教育を看板に掲げるところも多い。ここ数年で英語学習をとりまく環境は、大きく変化してきたと言える。
しかし、現在の日本の教育システムでは「英語を話せる」と言えるレベルにはならないことは、周知の事実。
受験で失敗することなく、社会に出てからも苦労しないように、どう英語力を伸ばせばいいのか…。これは子どもの躾以上に、多くの親たちが思い悩むことだろう。
そんな中、目から鱗が落ちるとでもいうべき1つの方法を選んだ親子がいる。
それは、教育移住だ。ある一家は、子どもとともに海外移住するという決断をした。
まず東南アジアに渡り、その後北米に拠点を移したという一家の教育スタンスに迫る。
取材・文/安福みき(ONE-HALF)
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小学生2人を連れて東南アジアへ移住。母の決断に子どもたちの反応は
今回取材に協力してくれたのは、夫と小中学生の2人の子どもがいるユリコさんだ。
彼女は4年前、母子のみで東南アジアへ教育移住を決断。そこで数年を過ごしたのち、カナダに移り住んだ。現在は子どもたちを現地校に通わせている。
キッカケは母子留学の1年前。子ども2人と東南アジアを旅行したときのことだという。
「毎年夏休みになると、子どもを連れて海外旅行に出かけていたんです。例年は友達のいる国に遊びに行っていましたが、ついに行き尽くしてしまった。
じゃあ行ったことがないところに行こう、と思ったのが2018年。夏休みに2週間ほど遊びに行きました」(ユリコさん)
当時、東南アジアに欧米の名門校の分校がいくつもでき始め、教育環境が整ってきているという噂を聞いていた。
「実際に行ってみると、意外と過ごしやすくて。1~2年くらいだったら住めるかもと思い始めました。それに、もし合わなければまた日本に戻ってくればいいだろうと。
私自身、海外で生活した経験があるわけでもなく、英語だってペラペラではないです。でも、あれもこれも調べて、絶対大丈夫っていうタイミングを探っているうちに機を逃してしまうんじゃないかという思いもあり、決断しました」
それからはニュースや雑誌、新聞、SNSなどでひたすら情報収集。エージェントから話を聞いたり、学校へメールを送ったりと、着々と準備を進めていった。
そしてユリコさんと2人の子どもは、東南アジアに渡ったのだ。
といっても住み慣れた日本を離れ、せっかくできた友達とも別れて移り住んだのは異国の地。通学先に選んだのはインターナショナルスクールなので、授業は英語。
子どもたちにとっては言葉の壁という大きな試練があり、ユリコさんは「すぐに帰国したいと言い出すのではないか」と心配していたという。
ところが、留学3ヶ月目のある日のこと。上の子が唐突に、こんなことを言ったのだ。
「もう日本の学校には戻らないと思う。ここがいい」
一体、何があったのだろうか…?
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