2023.11.08
私の名品テラピー Vol.13名品には数々の効力がある。
身に着けることで日々のモチベーションアップにつながったり、自分に自信をくれたり――。
まさに、大人たちのお守り的存在だ。
本連載では人々から愛され、流行に左右されることない一生モノの“ファッション名品”にフォーカス。
今回登場するのは、経営者の小川大貴さん。彼が紹介してくれるアイテムとは?
▶前回:「自分にプレッシャーを与えたい」35歳で転職した美人ナース。TASAKIパールに込める想いとは?
1993年生まれ、東京都出身の30歳。明治大学在学中は、大手アパレルメーカーやブランド古着店でアルバイト、男性ファッション誌でインターンシップを経験するなど、生粋の洋服好き。
コンサル会社勤務を経て現在はITコンサル・不動産会社を経営。よく行くエリアは渋谷、恵比寿。趣味はゴルフで、特技はブランド品の真贋判定。現在、1児の父。
20歳の記念で購入したサンローランのヒールブーツ
今回、小川さんが名品として紹介してくれるのは、サンローランのヒールブーツ、そしてディオールのタキシードだ。
実はどちらも、2021年に自身の結婚式を行った際に着用した、思い入れあるアイテムたち。それでは順番に名品ヒストリーを紐解いていこう。
購入のきっかけは遡ること10年前、小川さんが20歳になるタイミングだった。
「大学生の頃、ユニクロでアルバイトをしていました。そこの先輩が服飾系の大学を卒業していて、モード系の洋服を着こなし、めちゃくちゃお洒落だったんです。
当時僕は高価な洋服にはあまり興味なかったのですが、パリコレの話やハイブランドの話を聞いていくうちに、だんだん面白いな、奥深いなと思うようになって」
その先輩に連れられるような形で、伊勢丹 新宿店に足を運ぶようになる。
「伊勢丹に入っているようなブランドって、例えばGジャンで20万円くらいするんですよね。最初こそ驚きましたけど、まんまとハマっていく自分がいました」
そうして20歳という節目のタイミングで、サンローランのブーツを購入したという。では、なぜこれを選んだのだろうか?
「当時はメンズのヒールブーツはあまり主流ではなく、好みのデザインを探すのに時間がかかりました。これはノーズが長くシュッとしていて、少しスクエアっぽいつま先部分もお気に入り。絶対にこれが欲しいと、ほぼ即決でした。でもクレジットカードを持っていなかったので、現金を握りしめて(笑)」と、小川さん。
少し背伸びをして購入した一足。記念の品として今でも大事に保管し、気合を入れたい日に着用している。
ディオールのタキシードは「成人式、卒業式、結婚式と、人生の晴れの日を見守ってくれるもの」
続いて紹介してくれるのが、ディオールのタキシードだ。こちらは同じく成人のお祝いで、お父様からプレゼントしてもらったものだとか。
「当時、ディオール 表参道店で父親を説得して、ようやく買ってもらった品。成人式が控えていて、地元の友達にも久しぶりに会うから、ちょっと格好つけたかったんだと思います(笑)」と、若かりし頃を振り返る。
成人式が終わった後も大切に手入れをしながら、大学の卒業式や友人の結婚式、そして自分自身の結婚式でも着用するほど大活躍の一着だ。
お父様はどういうふうに受け取っているのだろうか?
「まさかこれを着て自分の結婚式を執り行うとは父親も思っていなかったみたいで、めちゃくちゃいい顔をしていましたね。多分、嬉しかったんだと思います。20歳の時は、『タキシードなんていらなくない?』と渋々だった父親も、『いいものは長く使えるんだな』と満足げでした。その姿を見て、僕も嬉しかった」と笑って話す。
お気に入りのポイントは言わずもがな、「シンプルが故に長年着続けられるデザイン」だ。
名品を長く愛する価値とは?
これらの名品について「手入れをしながら長い間使い続けることで、まるで時間を一緒に共有している友達のような存在になっていく」と語る。
「僕の性格的に、洋服を購入してすぐ使わなくなってしまうのではなく、一つひとつに愛着を持って長く使い続ける方が好きなんです。普段の着用頻度は低いけれど、その分、ここぞという時に自信を持って身に着けられますから」
そう話すように、一生モノのアイテムには投資もいとわないが、普段着にはファストファッションを取り入れるなど、ハイ&ローの着こなしが上手な小川さん。取材の日のファッションにも、その技が光っていた。
ファッショニスタな小川さんに、今後欲しいアイテムについて聞いてみると…。
「トム・ブラウンのキッズ用のスーツかな。ブランドの象徴であるトリコロールカラーのタグが背中にワンポイントで付いていて、さり気なく親子でリンクできるのが可愛いんですよ」との回答が。
小川さん自身も愛用しているスーツであり、現在2歳の息子と、いつかおそろいで着られる日を夢見ている。
◆
取材の最後に「子ども用のアイテム」のエピソードを話してくれた小川さん。
自分のためだけではない、我が子のために名品を手に入れたい。そう思う気持ちがさり気なく出てくるというのは、彼自身の心が豊かな証拠だろう。
父から小川さんへ、小川さんから息子へ。かけがえのない人を思い贈るギフトには、この上ない愛が詰まっていた。
▶Next:11月22日 水曜更新予定
「パリで結婚式を挙げてきました」花嫁が語る、名品アイテムの魅力
▶前回:「自分にプレッシャーを与えたい」35歳で転職した美人ナース。TASAKIパールに込める想いとは?
▶あわせて読みたい:マックスマーラの王道アイテム「テディベア コート」が誕生10周年!クリスタル輝く限定アイテム登場
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