2023.10.09
現代の“教育・お受験”リアルドキュメント Vol.42「将来のために、自分の子どもには高学歴を」
こんな思いを胸に、幼稚園の頃から“お受験”のために高い教育費をかけて塾へ通わせ、子どもを私立の学校に入れようと考える親が増え続けている。
そして、より良い学校に入るために、子どもたちは親の期待を一身に背負って勉強に没頭する。
確かに、家庭環境や学習能力が同レベルの子どもたちが集まる学校に入り切磋琢磨すれば、難関校といわれている学校へ進学できる可能性は高くなるだろう。
しかし普通の公立校に通い、現役で東大へと進む子どもがいることも事実だ。
今回は「都立日比谷高校から現役で東大に合格した息子」を持つ父親に、取材を行った。
この家庭では子どもの教育というものに対して、一体どのようなスタンスで向き合ったのだろうか。
取材・文/蒔田稔
前回の記事はこちらから
都内の国立小に我が子3人を合格させた親が語る、お受験対策で伸ばすべき子どもの能力とは
中学受験がすべてではない!公立高校から現役で東大に入れた理由
2023年の首都圏の私立・国立中学校の受験者数は、首都圏模試センターの推定によると、前年より1,500人増加の52,600人。
この数字は9年連続で増加していて、今年は首都圏の小学6年生4.65人に1人が中学受験したという。
ここ数年、過熱の一途を辿っている中学受験。高い教育費をかけてでも、子どもの将来が良くなるのならと塾へ通わせ、進学校入学を考える親たち。
子ども自身よりも熱が入り、あれこれと口を挟んでしまうことも親からすれば当たり前のことだろう。
しかし、そんな時流に乗らなくても、都立高校から東大に現役合格したのが山田正伸さん(仮名、50代)の長男・勇斗くん(仮名、23歳)だ。
山田さんは、長男が小学校高学年だった頃を振り返りながら、こう話す。
「当時、仕事の都合でアジア圏に赴任していて。だから長男が中学受験をするタイミングで、どこに住んでいるかもわからなかったんですよね。
おそらく東京だろうと思ってはいましたが、私から率先して長男に中学受験をさせようとは思っていませんでした。まあ、本人が受けてみたいと言ったらやらせたと思いますけど」
都内在住の山田さんは、奥さんと勇斗くん、次男の賢くん(仮名、17歳)の4人家族だ。そして勇斗くんは小3から3年間、山田さんの赴任先である海外で暮らしていたという。
まさに中受をするのなら、猛勉強しなければいけない時期。ただ海外にいたのなら、語学でのアドバンテージがあったかと思うのだが…。
「現地の日本人学校に通っていたので、言葉はすべて日本語でした。現地の子どもと交わることもない環境でしたから、語学力が特に上がったということもありません。
さらに小学校時代、勉強は学校の授業だけ。日本から通信教育の教材をとっていましたけど、ちゃんとやってなかったんじゃないかな。
塾も行ったことがないし、もちろん中学受験向けの模試なんて受けたことはないです」
「小学生のときくらい、塾などに通って勉強するよりも、しっかり遊んでいるほうがいいのでは」と言う山田さん。中学受験のシステマチックな方法にも疑問を持っているという。
「中受はほとんどの子どもが同じ大手進学塾のテキストを使って、それをいかに効率よく覚えるか、じゃないですか。語弊があるかもしれませんが、そんな勉強は何か意味があるのかなと思ってしまうんです」
そして中学に入学するタイミングで、日本に帰国。公立中学に進学した。
「優等生というわけではなかったようですが、教室にいると自然と友達が集まってくるような存在だったそうです。周囲から一目置かれていたんじゃないかな。
それは先生にも同じだったようで。先生に何か言われて言い返したりもしてましたけど、それで悪い印象を持たれることもなく。成績も悪くなかったですね」
高校は、当時は試験日が別だった慶應と開成、そして日比谷高校を受験。猛勉強の甲斐あり、3校すべてに合格した。
そして日比谷高校へ進学し、東大合格という高いハードルを現役でクリアする。しかしここに至るまでには、山もあれば深い谷もあった。
都立屈指の進学校の日比谷高校に入学したとたん、みるみる勉強時間は減っていき、家ではスマホに夢中。大学受験直前の模試では、まさかのE判定を取ったのだ。
ただ、この後の両親の反応が、彼の能力を最大限に引き出すものだったのかもしれない。それは…。
読むことができます
【現代の“教育・お受験”リアルドキュメント】の記事一覧
2024.03.15
Vol.50
中等部受験に失敗し、塾高を目指して猛勉強!9年かけて慶應を目指すも、補欠合格だった一家は…
2024.02.26
Vol.49
筑波大附属小の二次選考に合格しても、最後はガラガラ抽選!?試験に挑んだ家族が見た国立小受験の現実
2024.02.12
Vol.48
【麻布中高のすべて・後編】入学できたら高3まで勉強しなくていい?中受トップ層の大学受験事情
2024.01.29
Vol.47
【麻布中高のすべて・前編】入試問題は大人でも解けない?合格のために必要な習慣と対策
2024.01.15
Vol.46
枝光会附属幼稚園、愛育幼稚園の2園に合格した母親がつづった“幼受必勝ノート”の中身を大公開!
2023.12.03
Vol.45
母子だけで、東南アジアへ教育移住。3ヶ月後「もう日本には帰らない」と10歳の息子が言ったワケ
2023.11.20
Vol.44
塾をかけ持ちしても、成績が全然上がらない!学習院女子中を目指す一家が、受験5ヶ月前に実践したコト
2023.11.06
Vol.43
小6の夏まで、週5で習い事を掛け持ちしながら中受にトライ。それでも難関私立中に合格できた理由
2023.09.11
Vol.40
地方出身で縁故ナシ。夫婦共働きのサラリーマン家庭が私立小合格を勝ち取った、お受験攻略術は…
2023.07.29
Vol.39
“モヤモヤ”が生徒を覚醒させる?有名進学校を押しのけて躍進する、洗足学園の秘密とは
おすすめ記事
2023.09.29
現代の“教育・お受験”リアルドキュメント Vol.41
都内の国立小に我が子3人を合格させた親が語る、お受験対策で伸ばすべき子どもの能力とは
- PR
2024.11.20
銀座で女性と過ごす夜。アイリッシュウイスキーが引き寄せた、2人だけの密やかな高揚とは
2023.08.10
Editor's Choice~beauty & wellness~
アンプリチュード最後のコレクションが発売!秋色×偏光パールで、洗練された大人の色気を演出しよう
2023.06.07
ハラスメント探偵~解決編~
「休日に上司からのLINEを無視したら評価を下げられた!」これってパワハラ?:ハラスメント探偵【解決編】
- PR
2024.11.18
総勢100名に当たる!西友&東急ストアで「スプリングバレー」を買って東カレ厳選グルメをもらおう!
2022.02.13
大人のマナーをランクアップせよ
エリート男子が実践している、完璧に女性をエスコートするためのマナーとテクニック
2023.06.18
大人のマナーをランクアップせよ
友人の結婚式で悪目立ちしていた28歳女子。マナーを知らずにNG行為を繰り返した結果…
東証1部上場企業の「冬のボーナス」唯一の“90万円超え”となったのは?
2022.09.13
【9/13(火)は、細かいことでイライラしてしまいがち…】今日の運勢をチェック!
2023.02.22
【2/22(水)の運勢をチェック!】恋愛運は上々♡彼をご飯に誘ってみよう!
東京カレンダーショッピング
『佐藤養助商店』:門外不出の技による、喉ごし滑らかな"稲庭干饂飩"
『かに物語』:ふっくらと肉厚な一本爪が2本入ったフレンチカレー
『西岡養鰻』:特製タレ付き!脂の乗った高品質な鰻を土佐備長炭で丁寧に焼き上げた蒲焼
『マルヒラ川村水産』:ご飯に載せて贅沢いくら丼!1粒1粒に旨みが凝縮された、とろける食感の北海道函館産天然いくら
『North Farm Stock』:北海道産ミニトマト使用!糖度が高く、コクとうまみがたっぷり詰まったトマトジュース
『ル・ボヌール 芦屋』:フリーズドライフルーツにホワイトチョコがたっぷりと染み込んだ新感覚スイーツ
『HAL YAMASHITA 東京』:シルクのようななめらかさ!冷え冷えトロリの新食感"ウォーターチョコレート"