男と女のブランルージュ Vol.2

「何度も2人で会ってるけど、進展しない…」痺れを切らした女がとった大胆な行動とは

愛おしい人といるときは、何気ない時間が特別なものに変わる。

そして、2人の時間をよりスペシャルなものにしてくれるのが、ワインだ。

ワインには、香りと舌の記憶とともに一瞬を永遠に留めてくれる不思議な力がある。

今宵も、ボトルの前に男と女がいる。

長い年月を経て、このテーブルに辿り着いたこのワインのように、とっておきの物語が紡がれる。

▶前回:既婚男を好きになってしまった。報われない恋に悩む27歳女が決心したこと


Vol.2 『一歩が踏み出せない』汐音(25歳)


金曜の22時。二重橋前駅近くの青信号が、点滅を始める。

汐音の少し前を歩いていた男性が足早になる。

後ろを歩いていた女性も汐音を追い越し、駆け足で横断歩道を渡っていく。

その二人だけじゃなく、何人もが先を急いだ。

だが、汐音は足を止め、信号が赤になるのを見届けた。

先月、汐音がフランスに出張した際、現地に住む日本人から「フランス人は信号を守らない。自己責任で赤信号を渡っていく」と聞いていた。

車は走っていない。日本人だとしても渡るチャンスだ。

しかし、汐音は渡らない。

なぜなら今、隣には葉山彰人がいるからだ。

大手商社に同期入社した彼とは、これまで何度となく酒を共にした。

今夜、二人の物理的距離は、過去最高に近い。

汐音は、彰人の手に触れたかった。

けれど、勇気が出ない。

この記事へのコメント

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No Name
勇気を出して一歩踏み出せたのね♡ 良かった良かった。
2023/12/01 05:1551返信3件
No Name
シャブリすら知らないのに、汐音の状況とよく似た造り手のワインを探してくるなんて、彰人なかなかやるなぁ。
この連載いいね。ほんわかあたたかい気持ちになれるし、港区港区してない所もまたいい!
2023/12/01 05:4546
No Name
応援したくなる二人の話だった😊
久々にシャブリ飲みたくなったなぁ。そのビストロでどんなメニューと合わせたのかも書かれていたら、更に良かったかも。 まぁ生牡蠣とかシンプルな野菜や白身魚のグリルには本当によく合うね。
2023/12/01 05:2937
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