表紙カレンダー Vol.101

「私、素敵なオジサンに憧れます」 齋藤飛鳥が描く、第二章の自分とは

最高のアイドル人生を全うして、人生大満足。今は先のことを考え中


ならば、生き方のスタンスについてはどうだろう。

乃木坂46からの独り立ちを果たした今、何を思い、どんな舵取りをしようとしているのだろうか。彼女は言った。

各国のエッセンスが融合した革新的な料理は齋藤さんの胃袋と心を掴んだらしい。最初のひと口を味わうと目を大きく見開いて歓喜し、それから無言で食べ続けた。人は本当に感動すると言葉を失うものだが、このときの彼女がまさにそうだった


「自分としては、人生大満足。これ以上のいい思いも望まないし、贅沢をすることにも興味がないから、もう上がってしまったような気分。

でも、実際はまだまだ先がある。だから、どうにかして楽しくしなければ。その方法を探ろうとしている段階ですね」

アイドルになりたい一心で芸能界に入った。乃木坂46の1期生になってから卒業までの約12年間、夢を全うし、完全燃焼したに違いない。

とはいえ、まだ25歳。一般的な社会人からするとマナーや常識を身に付けてようやくスタート地点に立ったところ。これから社会の第一線に立って活躍するフェーズだが、齋藤さんにあえて同年代へのアドバイスを求めてみた。

すると彼女は「大事なのは、集団の中で自分の役割を見極めることかもしれません」と前置きし、次のように続けた。

「私、デビューして間もない頃はアイドルらしくしなきゃと必死で、自分をいちごみるく好きの可愛いキャラにしたことがあって」

そう。ファンの方ならよくご存じだろう。かつて彼女は「いちごみるくがだぁいすき、“あしゅりん”こと齋藤飛鳥です」というキャッチフレーズを使用していたのである。

「いまだにそのネタでいじってもらえるので間違いではなかったのかもしれませんが、自分の中ではバグが起きていましたね」

そう言うと、今度は自分に言い聞かせるかのようにぽつりと呟いた。

「アイドルとしての技術や実力が備わっていれば、そんな風に自らを称する必要はなかった。私には少しずる賢いところがあるんです。この適当な感じが許されて、笑いに変えてもらえたのは、グループにいたからでしょうね」

それを聞いて思わず「ひとりで活動するこれからは誤魔化しが効かないのでは?」という感想が漏れてしまった。

すると彼女は「別にそれでもいいやと思う自分がいます」と一笑した。

「私が万人ウケを狙うのはどうやっても無理。たとえお仕事が減ったとしても、今日のように自分の好きな雑誌からお声をかけていただけたら、それで幸せ。決してハートは強くないけれど、今はそう思える状態なんです」

その言葉はどうやら本心から出たもののようだ。

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