表紙カレンダー Vol.100

「無理やりこじ開けるんです」女優・吉岡里帆が、自由自在に豹変できる理由とは

今や出演オファーが絶えない吉岡里帆さんを、約3年ぶりに誘い出すことに成功した。

再会の場所は、『SAVOY 麻布十番店』の中にある『SAVOY クラシック』

30歳を迎えた彼女は、「もっと自由自在になりたい」と語ってくれた。その、想いとは?



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「30歳になって引き出しが増えた気がするんです。自信に繋がっています」


この日、吉岡さんは取材場所のレストランに現れて、撮影の用意がととのった店内をぐるりと見渡すと、誰に言うともなく「よしっ!」と掛け声のようなものを発した。

彼女の向上心やプロ意識の高さは各方面で囁かれていることだが、その評判どおり、カメラを向けられればもちろん、撮影の合間においても彼女が気を抜くことはなかった。

真剣な表情でモニターを見つめ、自らのポージングや洋服の写り方、肌の色にまで目を配る。そして、自分の意見を述べ、スタッフの声に耳を傾ける。

その姿には「いいものを届けたい」という想いがみなぎっているように感じられた。

本誌への登場は、約3年ぶりのことなので、インタビューはその空白の時間を埋めることから始めた。

この3年は中身の濃いものだったはず。

2020年に第43回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞した吉岡さんは、2022年にアニメ業界で闘う者たちを描いた映画『ハケンアニメ!』で主演を務め、また、太平洋戦争末期の沖縄戦を描いた『島守の塔』では過酷な日々を生き抜いた女性に扮し、再び数々の演技賞を手にした。

CM出演も多く、ラジオのナビゲーターにも起用されている。今年1月には写真集も発売した。まさに順風満帆だ。

「確実に打たれ強くなったと思います。自分の引き出しが増えたという実感もあります」

できることが増えれば、おのずと自信がつく。吉岡さんは「撮影現場でアドリブを求められても柔軟に対応できるようになってきた」と話すが、実際そうなのだろう。

この8月25日に公開される青春映画『Gメン』では高校教師に扮し、ヤンキーとオタクしかいないクラスの担任として「誰がババアだよ!このヤロー!」といった暴言を吐くなど、変幻自在な〝カメレオン女優〞ぶりを遺憾なく発揮している。

「あの映画における私はあくまで脇役。笑っていただくための箸休め」

ご本人からは謙遜の言葉が聞かれた。

しかし、当然のことながら誰でもいいわけではない。選ばれし人が演じるからこそ、観客はより深くその世界に没入できるのだ。

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