
「無理やりこじ開けるんです」女優・吉岡里帆が、自由自在に豹変できる理由とは
「また呼ばれる女優になる。その為に作品にとっての自分の立場を考えます」
なぜ、「吉岡里帆」は豹変できるのだろう。役者を生業にする人には愚問かもしれないが、敢えてぶつけてみることにした。
すると、彼女はなんの惑いも窺えぬ真っすぐな目をして、次のように言った。
「作品において自分がどんな役割を担っているのかを意識すると、自然にそうなるのだと思います」
たしかにそのとおりかもしれない。
だが、新しい役に挑み続ければ、演技に迷い、壁にぶつかることもあるのではないか。開かない扉にぶち当たったときはどうするのだろう。
「無理やりこじ開けるんです」
吉岡さんは笑っていた。その言葉つきには有無を言わせぬ強さがあった。貫禄さえ感じられた。
今年で30歳。30代は20代よりも出合える役の幅が広がりそうだが、さらなる成長を遂げ、大女優への道を突き進みそうな彼女は、自分自身の今をどのように捉えているのだろう。
「自分の殻に閉じこもったり、自分のことだけを考えたりする時期は過ぎ去りました。
30代では、誰かが楽しんでくれることや、自分を必要としてくださった方々に貢献することを大事にしていきたいです。
だから、私は作品の中でもっと開花する存在になりたい。もっともっと自由自在になりたいです」