業務遂行のために、あらゆる地域に赴くこと、それが出張。
一部のサラリーマンにとって、切っても切り離せない関係だ。
出張の醍醐味は、その地域を存分に味わい、楽しむこと。それには“出張土産”が欠かせない。
これはある1人の男と“出張土産”が織りなすストーリーだ。
Vol.1:「晴れの国」では悩みも晴れる
僕の名前は、山田健一。
健一という名は、両親が「健康第一で、すくすくいい子に育ちますように」という願いを込めてつけたそうだ。
その名の通り身長185cm、体重80kgと大きく育った僕は、妻に「縦にも横にも育ち過ぎ」と突っ込まれながらも、充実した毎日を過ごしている。
就活のときから憧れていた商社に入り、今年で入社7年目。
同期のなかでは「幹部候補」なんて言われる奴もいるが、僕はごくごく普通だ。3年前に結婚して娘が生まれ、マイペースに頑張っている。
そんな僕は、最近、あるストレスを抱えていた。
“出張”だ。
4月に異動した先の部署が、出張の多いところだったのだ。
社内には、「出張大好き」という同僚もいる。が、僕にはその気持ちが全くわからない。
もともとインドア派で旅行にも興味が薄いし、泊まりの出張だと家族と過ごす時間が減ってしまう。
出張が増えたことによって、ワンオペ育児をする妻・聡子は不満をため込んでいて、最近僕への対応がとても冷たい。
そんな僕に、上司から「お盆休みに入る前に行ってこい」と言われたその先は、岡山県。
― また出張か…。
だが「晴れの国」といわれる岡山への出張で、まさにその悩みが「晴れ」てくれる事件があったのだ。
この記事へのコメント
そうかな…とは思ったけど。
白桃、食べたくなりました。