許さない女、許す男 Vol.12

「私って、賞味期限切れなの?」エリート外科医の失言に、32歳女は動揺し…

「他に好きな人ができたから」

「浮気したから」「されたから」

男女の別れはそんなに単純じゃない。

付き合う前、付き合った後、結婚前、結婚後…。

さまざまなタイミングで“別れ”のトラップは潜んでいる。

些細な出来事であっても、許せるか、許せないかはその人次第。

パートナーのその言動、あなたなら許す?許さない?

▶前回:「元カノはどんな人だった?」彼氏に聞いてみたら…32歳美女が凍りついた、彼の回答とは

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※1話目と2話目のみ無料公開しております。


Vol.12 総合病院看護師・蛭田南帆(32歳)の場合


中目黒の『NYU』

蛭田南帆は、同い年の友人・尾藤絵梨花から「彼氏と別れないことにした」という報告を受けていた。

「ホント!良かったね~」

「それで南帆のほうは、どう?」

南帆にも最近、付き合い始めたばかりの恋人・岩本直哉がいた。

「まあ、うまくはいってるんだけど…ちょっと気になることがあって」

「何?」

「女の賞味期限って、いつだと思う?」

雲丹ハンバーグを口にしていた絵梨花は、驚いた様子でむせた。

「待って待って。どういうこと!?」

「実は、付き合う前に直哉さんから言われたんだよね。『賞味期限が切れた男だけど、いい?』って」

「…直哉さんって何歳だっけ?」

「37歳」

「男の37歳なんて、ぜんぜん賞味期限切れてないでしょ!おいしく頂ける年齢でしょ!」

声を張り上げた絵梨花を、南帆は思わずたしなめる。

「ちょっと、言い方」

「でも、それが何なの?」

「私も、37歳の直哉さんは賞味期限なんて切れないと思うから、付き合ったんだけど…その言葉が、ずっと引っ掛かっていてね。

直哉さんが『賞味期限』って表現をしたっていうことは、彼が恋愛の判断基準には『賞味期限』があるっていうことでしょ?そしたら『私は賞味期限がいつ切れるんだろう…』って気になっちゃって」

「気になるね。たしかに、それは心配になる…」

「女の賞味期限って、いつなのかなあ」

「…それ直哉さんに聞いてみた?『女の賞味期限っていつだと思いますか?』って」

「聞いた」

「なんて答えたの?」


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