「私、小学校から大学までずっと同じ学校なの」
周囲からうらやまれることの多い、名門一貫校出身者。
彼らは、大人になり子どもを持つと、必ずこんな声をかけられる。
「お子さんも、同じ学校に入れるんでしょう?」「合格間違いなしでいいね」
しかし今、小学校受験は様変わりしている。縁故も、古いしきたりも、もう通用しない。
これは、令和のお受験に挑む二世受験生親子の物語。
親の七光りは、吉か凶か―?
◆これまでのあらすじ
名門一貫校出身の果奈は、息子の翼を小学校から同じ学校に入れたいと考えている。翼の成長は順調。しかしお受験に必須な能力である「クマ歩き」をトレーニングする最中、果奈はぎっくり腰になってしまい…。
▶前回:お受験に必須の“あの能力”をトレーニング。息子を訓練する母が直面した、思わぬトラブル
Vol.10 夫の思惑、妻の変化
「いやー!」
車内で突然「2人目を作ろう」と言い出した光弘に向かって、果奈は叫んだ。
「なんでそんな話になるのよ」
大声が、ぎっくり腰をしたばかりの体に響く。
「だってさ、果奈は翼のとき、妊娠5ヶ月で産休に入ったじゃないか。2人目を作ったら、育児休業と合わせて......
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