許さない女、許す男 Vol.5

「交際は続けたいけど、結婚は嫌」プロポーズを断った33歳女。胸の内には意外な本音が…

「他に好きな人ができたから」

「浮気したから」「されたから」

男女の別れはそんなに単純じゃない。

付き合う前、付き合った後、結婚前、結婚後…。

さまざまなタイミングで“別れ”のトラップは潜んでいる。

些細な出来事であっても、許せるか、許せないかはその人次第。

パートナーのその言動、あなたなら許す?許さない?

▶前回:離婚から1年。男が初めて別れを後悔した、元妻からのLINEの中身とは?

いつも東京カレンダーをご愛顧いただき、ありがとうございます。こちらの連載小説は、有料記事となります。

※1話目と2話目のみ無料公開しております。


Vol.5 バリスタ・谷静香(33歳)の場合


別れた元夫が『結婚記念日だね。もう一緒に祝うことはないけれど笑』なんてLINEを送ってくるなんて、谷静香は想像もしていなかった。

想像をはるかに超えるほどに元夫・高宏は面倒くさい男だった。

静香は、怒りの返信とともに即ブロック。

― 結婚記念日なんて、とっくに忘れたし。

逆に、離婚した記念日なら覚えている。高宏との離婚は人生最高の決断だったと静香は思う。

それよりも今、直面している問題は、離婚後に付き合いはじめた6つ年下の彼氏・須賀巧のこと。

交際期間は1年にも達していない。

― なのに…。

離婚後に静香が住み始めた池ノ上のマンションで、巧と一緒に目覚めた朝。

ベッドの上で、突然プロポーズされた。

「無理だよ。私、再婚する気ないって言ったでしょ?」

「じゃ、別れよう」

巧があっさり言うので、静香は呆気にとられた。

「は?」

「俺と再婚するか、別れるか、決めてほしい」

「…もしかして子どもが欲しいの?」

「子どもはいらないよ。ただ静香と結婚したいんだ」

静香は頭を抱えてしまう。

結婚願望はもうない。再婚したくない。

― しっかり伝えたうえで付き合ったつもりだったのに…。

再婚もせず、別れることもなく、このまま付き合い続けるという選択肢はないのだろうか。悩み抜いた末、静香は言った。


この記事へのコメント

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No Name
しょうもな
2023/05/04 05:1213返信1件
No Name
あ、そっか
今日はこれだけの日だった…
2023/05/04 05:109返信1件
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