2023.03.18
大切な相手との会食・接待には、やっぱり「和食」で、相手とゆったり語り合いたいもの。
上質なおもてなしをするなら、“港区”にあるハイクラスな名店を選ぼう。
そこで今回は、港区の数ある名店の中から、大人がしっとりと寛げる一流店だけを厳選してご紹介!
◆
※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。
1.食通たちが「一度は行きたい!」と憧れる、三ツ星のレジェンド店
日本料理かんだ/虎ノ門ヒルズ@虎ノ門
『ミシュランガイド東京』で三ツ星を取り続けている和食のレジェンド。高層ビルの1階にありながら、入り口に看板は無く、その佇まいはまさに都会の隠れ家。三ツ星にふさわしい風格ある佇まいを見せている。
大将・神田さんの料理は、伝統を踏まえ良質な季節の素材をシンプルに、時折ひと匙のモダンを添える。とくに「お椀」がその真骨頂。季節ごとに素材を替えるしんじょは同店ではおなじみで、身体に沁み渡る上品な味わいにほだされる。
高い天井が開放感を与える店内は、春日杉の銘木のカウンターが清々しい。伝統を取り入れながらもモダンな意匠を凝らした空間は、王道を外すことなくさりげなく遊び心を散りばめる神田さんの料理とリンクする。記憶に残る名店とは、まさにこんな店だろう。
2.若い世代から海外のゲストまで、幅広い大人を魅了する
麻布 塊@東麻布
赤羽橋の交差点から徒歩1分。桜田通りから1本中に入った路地裏に構えるこちらのお店。風情ある麻ののれんをくぐり地下1階へ進むと、外の喧騒を忘れる落ち着いた空間が広がる。
赤坂や青山にある加賀料理『浅田』で長く研鑽を積んだベテランの店主が繰り出す料理は、食材の組み合わせに個性が光るから面白い。本当に良いものであれば国産食材に捉われず、欧州などから食材を取り寄せる。そして、旬の恵みを何層にも連なる奥深い味わいへと昇華するのだ。
店内はよくある和食店の造りではなく、V字カウンターが存在感を放つ型破りな設え。客同士の一体感を生み出すのが狙いで、実際にさまざまな年代や国籍の人々で賑わうそう。大人が心から楽しめる和食の理想形は、きっとこんな店だろう。
3.実力派の若き店主が、食材の滋味深き味わいを引き出す
西麻布 野口@西麻布
『銀座小十』、神宮前『樋口』と和食の名門で腕を磨いた実力派の若き店主・野口正太朗さんが腕を振るう店。昨年にオープンしたばかりだが、激戦区の西麻布にあって、界隈の和食好きの心を早くもガッチリと掴んでいる。
「郷土料理や昔ながらの技術を大切にしたクラシックな料理が好き」と野口さんが話すとおり、同店では金沢の治部煮や大阪のハリハリ鍋といった郷土料理を独自にアレンジ。食材本来の旨味を生かした逸品に仕上げる。
数寄屋造りをイメージした店内は、檜のカウンターも清しい静謐な空間。しっとりとした大人のムードが流れ、料理と会話に集中できる。コースは全部で14~15品と品数は多いものの、味に強弱をつけたメリハリのある構成が舌を飽きさせない!
4.テンポのいいコース展開に、気持ちよく酒が進む天ぷら店
天 よこた@麻布十番
江戸前の伝統を継承する直系の天ぷら店。麻布十番商店街のメイン通りから一本裏手に入った、静かな路地裏に構える隠れ家だ。
江戸前の粋をしっかり伝える同店では、キスやメゴチなど、伝統的なタネはきっちりと扱う。一方で独自色も追求しており、例えば、山形「舟形マッシュルーム」のように全国各地の特産品を揚げる天ぷらは、新しい試みだ。
店内は木肌の凹凸を縁でそのまま生かした楢のカウンターに、揚げ場後ろに配された総織部の壁も美しく、天井では艶やかに銅板が光る。暖色系のライトが照らす空間はクラシックな雰囲気だ。昔ながらの天ぷら店の風情を楽しみながら、ゆったり寛げる大人の一軒だ。
5.炭と薪の“焼き”で魅せる実力派の和食店
麻布室井@麻布十番
三ツ星和食店『石かわ』で9年、『紀茂登』で3年と斯界の名店2軒で研鑽を積んだ大将が腕を振るう店。皿の構成はいずれもシンプルだが、修業先で学んだ料理へのスタンスを基軸としつつ、ここでは大将ならではの味を追求している。
特筆すべきは、炭と薪の二刀流で攻める独自の“焼き”の手法。火力がストレートな炭火は表面をパリッと焼き上げたい食材を。水分を含んだ柔らかな薪火はジューシーに焼きたい時にと、素材によって使い分けている。どの料理も、オーソドックスでいてどこか新しい味わいだ。
店内は檜のカウンターが清々しく、無駄な装飾を排したシンプルな空間。カウンターの奥では赤々と燃える薪の炎が、温かみのある雰囲気を醸し出す。若き大将だが一品一品に風格が漂い、一度訪れたら虜になること必至の一軒だ。
6.本物を知る西麻布の大人たちの心を掴む隠れ家
壽修@西麻布
西麻布を象徴する二股の小道が、根津美術館から六本木通りに下る「北坂」。同店はこの道沿いにある、静かな佇まいの隠れ家だ。中に入ると、階段を下りた半地下が店になっており、そのアプローチがお忍び気分を上昇させる。
同店で楽しめるのは、店主の地元・佐賀の食材を織り交ぜた王道のコース。飾りや演出に捉われずにシンプルな仕事を大切にしている。例えば、お椀には甘鯛の骨でとった澄んだ出汁がはられ、筍が香る。目には見えない滋味深さが、何より記憶に残るのだ。
半地下のぶん店内の天井は高く、広々とした空間が広がる。客層は落ち着いた大人が多いため、ゆったりと過ごせるのも嬉しい。和食を愛する大人がホッとひと息つけるような温かな料理と雰囲気が、ここにはあるのだ。
7.薪や炭、藁…さまざまな熱源を駆使した料理に感動する
膳処末富@麻布十番
薪焼きの新境地を開拓してきた末富 信さんが、自らの名を冠してオープンしたのがこちらのお店。麻布十番の路地裏にたたずむ一軒家の2階とあって、特別感もひとしおだ。
“焚き火料理”をテーマに焼きの可能性を追求したいとの思いを反映し、コースの“熱源”は炭と薪に留まらず、竹、藁、桜のチップなど、実に多彩。その自在な発想には目を見張る。
また、レタスは遠火の薪火にかざし、空芯菜は藁火で炙るなど葉野菜の火入れも大胆。ひと手間を加えて料理性を高めるところに、炉端焼きとは一線を画す割烹料理店としての自負がある。無二の食体験ができる同店は、大切な人と語らうひとときをワンランク上質にしてくれるはず!
8.鮮度に驚く刺身から肉汁あふれる焼き物まで、“鴨”の奥深さに開眼する
感情@六本木
六本木の雑居ビル3階にひっそりと構える鴨料理専門店。『INUA』『ア・ニュ』『桃仙閣』などで研鑽を積んだ若き実力派が腕を振るう一軒だ。
同店では、新規は受け付けていない名人からの希少な鴨を使用。刺身から胸肉にささみ、ハツなど、鴨を食べ尽くすコースの滋味深さは、誰にとっても未知の領域。噛むほどに旨みが出る鴨は、大人のための嗜好品のような美食である。
京都を拠点に、和食店を多く造る建築家が手掛けた店内には、洗練されたスタイリッシュなムードが漂う。カウンター正面の焼き台で鴨が焼かれていく様は圧巻。鴨の美味しさと可能性に気づかされる希有な名店だ!
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