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  • この春は銘酒を片手にほろ酔い旅!日本酒好きが今もっとも注目するエリアとは…?

    満を持して完成した日本酒の、隠された秘密とは?


    大橋:技術を説明する前に、まずは香りをみてもらえますか?こちら、取材日の前日に完成したばかりのお酒、「HENPEI」そして「GENKEI」です。

    緑川:日本酒では珍しい名前ですね。では、香りから…。きれいな香り!でもどちらも全然違う。味わってみないことにはわかりませんが……、もしかして、使用しているお米が違いますか?

    左から「富久長 純米吟醸 八反草」、サタケシリーズ「GENKEI」、サタケシリーズ「HENPEI」


    今田:酒米はどちらも広島県産の「八反草(はったんそう)」です。この酒米は弊社でしか使用していないもので、広島八反系のルーツである米。それを農家さんに頼んで復活栽培してもらっているんです。

    緑川:それでは、水の差なのでしょうか?

    大橋:実は、精米方法が違うんです。これまで日本酒づくりにおいて定番だったのは、お米を球状に削る「球形精米」でした。

    緑川:球形であることは米が十分に磨かれ、不要な部分を取り除いた証拠なのだと思っていました。それだと何か問題があったんですか?

    大橋:お米は本来、細長い形をしているもの。球形にしてしまうと、旨味を醸す部分(でんぷん)も一緒に削られてしまうんです。そこで試行錯誤を繰り返した結果生まれたのが「真吟(しんぎん)精米」という技術です。

    出典:真吟HP「FEATURE 真吟精米の特徴」より(https://www.shingin.jp/about/seimai/)


    緑川:真吟精米?初めて聞きました。どのような技術なんですか?

    大橋:従来の精米方法は玄米の長さ方向を重視して削るため、削れば削るほど米は丸みを帯びて球形になります。そうすると、タンパク質が十分に取り除けず、必要成分(でんぷん)を削りすぎてしまっていました。

    一方、真吟精米は玄米の厚さ方向を重視して削るため、精米歩合が低くなるほど平らな形状になる。そうすることでより効率的に、必要な部分だけを残すことが可能になりました。

    玄米と並べてみると、従来の精米では球形に、真吟精米ではお米の形に沿って削られていることがわかる


    緑川:見本を見ると、違いがわかりやすいですね。

    大橋:「真吟精米」は、お酒がおいしくなる部分を最大限に残すことを目的に開発した技術です。お米の形に合わせて精米するので、球形ではなくお米そのものの形、つまり扁平な形状の形(原形)のまま、不要物だけを取り除いて精米することができるんです。

    「米の真価を吟味して醸す」という意味を込めて「真吟」と名付けました。

    「この技術ができた時は、すごいものができてしまった…という気持ちが会社全体に溢れていました」と大橋さん


    緑川:画期的な技術ですね!

    大橋:現在、日本屈指の大手酒蔵さんをはじめ、さまざまな方面から興味を持っていただいています。今田酒造本店さんのように、すでに導入いただいている蔵も増えてきています。

    今田:新しいだけではなく、優れた技術ですからね。みなさん興味津々。

    大橋:でも、初めてこの技術をお披露目した際は、まったくといっていいほど反応が無かったんです。今田さんだけが「もっと詳しく!」と興味を持ってくださった。

    その後、今田さんが「真吟精米」で磨いたお米でお酒を作ってくださったことで、他の酒蔵さんもイメージすることができたみたいで……本当に感謝しています。

    最低限の磨きで、お米の旨味を最大限に引き出す「真吟精米」

    「お披露目会で、技術の素晴らしさと大きな可能性を感じて感動しました。その後すぐに精米をお願いしました」と今田さん


    緑川:お米を多く削らずに済むということは、無駄を減らすことができるということにもなりますね。

    今田:そうなんです。弊社で扱っている八反草は、数多く作れるものではない限りある資源です。そのため「真吟精米」をすることで“もったいない”を減らすことができました。

    驚くことに「真吟精米」だと、精米歩合70%程度で、60%、50%磨いた「球形精米」と同様、またはそれ以上の味わいを引き出すことができるんですよ。

    緑川:広島県が生んだ酒づくりの技術と、広島県が生んだ精米技術。この2つが融合して生まれたお酒が「HENPEI」と「GENKEI」なんですね。名前の由来は、お米の磨き方だったか。

    お米のポテンシャルを最大限に引き出す「真吟精米」は、日本の酒づくりを変えそうな予感がします!

    今田:では、実際に「HENPEI」と「GENKEI」の違いを楽しんでください。

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