2023.03.03
楽しいフレンチは、リトルパリ・神楽坂で Vol.4神楽坂は、パリの街角のような景色が至るところに存在する街だ。
その様子から「リトル・フランス」とも呼ばれ、ここには大人のためだけに用意された特別な空間がある。
そこで今回は、大切な恋人や仲間と一緒に風情を楽しみながら"神楽坂フレンチ"を普段使いする、という提案をしたい!
ワイン片手に、素敵なディナータイムを過ごせるに違いない。
▶前編はこちら:神楽坂だからこそ体感できる本格ビストロ3選。ふたりのディナーを高揚させる秘訣とは
店名にある“ブション”とは、リヨンの郷土料理を提供するレストランのこと。
美食の都として名高いリヨンにはブションが軒を連ねるが、その中の一軒を丸ごと神楽坂に移築したような空気をここでは感じられる。
リヨンにいるかのような空間は、心の壁をそっと外す効果がある
店内で目に入るのは、タイルの床に樫の木のテーブル、リヨン伝統の錫製カウンターに木製ワインセラー。
赤いラインが入った麻のクロスも無性にかわいらしく、ここで写真を撮れば、まるでフランスでのデートである。
すべてのアイテムはリヨン出身の店主、ポコさんが母国で仕入れたもの。
15年前に日本初のリヨン人によるブションを始める際にポコさんがこだわったのは故郷の食文化をリアルに伝えること。
自身の店については「気取らない場所」と話し、ワイン片手に賑やかに会話を楽しむ客が集まるのも現地どおりだ。
肩肘張らずにフレンチを楽しめるのはシェフの温かい歓迎が待っているから
15歳で料理の道に入り、パリのレストランで料理長として腕をふるった後、25歳で来日したクリストフ・ポコさん。
ホテル「ソフィテル東京」の総料理長を経てこの店を開いた。
パテドカンパーニュやピスタチオ入りリヨン風ソーセージ、リエットなどがのった「自家製コショナイユ(シャルキュトリの盛り合わせ)」1,600円。
メニューには自家製シャルキュトリやリヨン風クネルが並ぶ。
フランスの内陸らしい料理にワインを欲するが、ポコさんのオススメは「ヌーヴォーじゃないボジョレー」。
ツウな乾杯はふたりの経験値を上げる共有体験となり、夜に艶やかな香りを与えてくれる。
本場のデセールでもっと甘い夜に……
リヨンの紋章であるユリが描かれた「リヨン名物のタルトプラリネとウフアラネージュ」1,100円。
器の中にはアングレーズソースにメレンゲが浮かぶ。
■店舗概要
店名:ルグドゥノム ブション リヨネ
住所:新宿区神楽坂4-3-7 海老屋ビル 1F
TEL:03-6426-1201
営業時間:ランチ 11:30~(L.O.14:00)
ディナー 18:00~(L.O.21:00)
定休日:月曜、火曜
席数:テーブル36席
老舗出版社・新潮社を中心に、重厚で落ち着いたムードが漂う矢来町。
このエリアの一角には、大人なふたりがゆっくりと語り合いたい夜にぴったりの、静かな隠れ家がある。
ゆとりのあるエレガントな門構えがディナーの始まりへの気分を高める
ビストロほど砕けてはいないが、グランメゾンほど堅苦しくない。
料理もサービスも空間も、大人に〝ちょうどいい〞フレンチでふたりの時間を過ごすなら、『デジーノ』ほど心地いい店はない。
メートル・ドテルとしてフロアを仕切る澤井大輔さんの接客は距離感が程よく、シェフの金田賢二郎さんが作る料理は、奇をてらわず実にシンプル。
一流ホテルや現地フランスの星付きレストランで経験を積んだ強いタッグだからこそ、多くを語らずとも、それらが本物だと、五感を通して伝わってくる。
オープン当初から「現地のフランス人がそう楽しむように、ゲスト自身がその日の気分でデザインを」と、プリフィックスでのオーダーを推奨。
ひとたび、お気に入りを見つけると、「これが食べたくて」と熱烈なファンになる人も多い。
ふたりのお気に入りを探しながら、味わうのもまた一興だ。
本場のデセールでもっと甘い夜に……
旬のいちごのフレッシュ感が食後にぴったりの「マスカルポーネムースといちごのスープ」1,600円。
顆粒のフランボワーズと白ワインのジュレが大人の味わい。
■店舗概要
店名:デジーノ
住所:新宿区矢来町61 日東商事ビル 1F
TEL:03-5261-8210
営業時間:ランチ 11:30~(L.O.13:30)
ディナー 18:00~(L.O.21:30)
定休日:火曜
席数:テーブル22席
訪れた人の感想は一様に「フランスに来たみたい」。そう思わせるのは、おそらく日本一フランス人が多く働くビストロだから。
仏語を耳にしながらブルゴーニュワインの香りを感じれば、ひとときの旅に酔いしれる。
フランスの街角のような店構えに序盤から高揚すること必至
扉の前には"LA BOURGOGNE"と書かれた交通標識のような看板とワインの樽。
早くも誘いの手応えを与えてくれるフランス感満載の外観だが、中こそブルゴーニュだ。
スタッフの9割がフランス人のため仏語が飛び交い、旅の臨場感を覚えざるをえない。
20年前に開業したこの店が神楽坂で慕われ続ける理由は、その空気に加えワインリストも郷土料理も本場のとおりだから。
ブルゴーニュグラスを手にするふたりも絵になる空間がある
ブルゴーニュといえばフランス中央東部に位置する名醸地。
ここでもブルゴーニュグラスでワインを楽しむのが醍醐味で、初めてなら食事は「ブルゴーニュコース」を頼むのがデートでは間違いない。
「エスカルゴのブルゴーニュ風」は最後、パンをガーリックが効いたバターソースにつけて楽しむ。
4皿7,300円と手頃でありつつ、濃厚な牛肉の赤ワイン煮込みもいただけて充足感も申し分なし。
最後にパリブレストとコーヒーで談笑して石畳を散歩すれば、その足元すらフランスを思わせるかも。
ガラス張りのサンルームは頭上に『ラ・ブーム』『あるいは裏切りという名の犬』などの往年のフランス映画のポスターが貼られている。
開放感がありつつ暖房が効いているので冬も暖かい。
本場のデセールでもっと甘い夜に……
コースの最後に出される「パリブレスト」は、コク深いアーモンドクリームと香ばしいナッツの歯応えが魅力。
コーヒーはもちろん、甘口ワインとも相性よし。
■店舗概要
店名:メゾン・ド・ラ・ブルゴーニュ
住所:新宿区神楽坂3-6-5
TEL:03-3260-7280
営業時間:【月~土】ランチ 11:30~(L.O.14:00)
ディナー 18:00~(L.O.22:00)
【日】ランチ 11:30~(L.O.14:00)
ディナー 18:00~21:30
定休日:無休
席数:テーブル52席
◆
この街に足を踏み入れれば、ひとたびにフランス・パリを感じてしまうのだから驚きだ。
異国情緒あふれる神楽坂のフレンチ店は、ムードが欲しい日のディナーにぴったりなのだ!
▶このほか:勝負デートで外さないのは、“神楽坂で鮨”。しみじみ旨い握りが味わえる次世代の名店
※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。
東カレアプリでも「そうだ、神楽坂、行こう。」が読み放題!
今月の『東京カレンダー』は「神楽坂」特集。街全体が非日常を醸す神楽坂の「和食」と「フレンチ」で、またひとつ大人になる!
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※東京カレンダーは毎月21日頃の発売です。今号は2/21(火)から。
【楽しいフレンチは、リトルパリ・神楽坂で】の記事一覧
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