海老、蟹、貝、生ハム…… 至極の一杯は専門料理店で Vol.1

甲殻類の香りや旨みを引き出した料理と、きれいな味わいの日本酒の調和

海老、蟹、甲殻類尽くし

秋のキノコとズワイ蟹の炊き込みご飯。土鍋ご飯は炊きたてと少し蒸された両方を提供

素材を絞り込んで
研究を重ねる潔さ

新進気鋭の和食店として、早くも注目を浴びる『うぶか』は、今年5月にオープン。一番の特徴は“甲殻類”を主役にしていること。店主の加藤邦彦さんはもともと甲殻類好きでもあるが、何より「料理は手を広げるよりも、深く掘り下げる方が楽しい」という少々マニアックな考え方の持ち主。

料理は月変わり。コースを通して様々な海老や蟹が登場するが、名物と呼びたいのが「海老フライ」。一番好きな料理が「海老フライ」という加藤さん渾身の一品で、海老みそと一緒に春巻きの皮に包まれた今までないスタイルだ。

京都で日本料理の修業をした加藤さんは品のいい料理が基本。だが、そこにプラスされるフレッシュな着想も持ち味だ。実は以前新宿三丁目の人気店『チャイニーズタパス レンゲ』の厨房にいたことも有名で、中華の技法も巧みに使い分けることができる。

甲殻類の香りや旨みを引き出した料理ときれいな味わいの日本酒。新しくも予定調和なこの幸せに、ひと時じっくり浸りたい。

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