「この子のためなら、何だってしてみせる…」
公園に集う港区の母たちは、そんな呪文を心の中で唱え続ける。
そして、子どもに最高の環境を求めた結果、気づき始めるのだ。
──港区は、小学校受験では遅すぎる…、と。
これは、知られざる幼稚園受験の世界。母…いや受験に取り憑かれた“魔女”たちが織りなす、恐ろしい愛の物語である。
◆これまでのあらすじ
お受験塾「ほうが会」に入会し、華(2)を名門幼稚園受験させた葉月。ママ友の家庭が子どもの発熱で受験できなかったことを知り、心を痛める。そんななか、華の合否が届き…。
▶前回:まさか、お受験当日に…?「絶対に合格する」と思われていた名門一家に起こった悲劇
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Vol.12 公園の魔女
主要な幼稚園の合否が出揃った、11月半ば。
試験本番の期間はお休みだったほうが会の、久々の保育日だ。
私は華のお迎え時間の少し前に宝川先生を訪ね、応接間へと向かった。
手には、帝国ホテルの『ホテルショップ ガルガンチュワ』のクッキー詰め合わせと、合格のお礼として10......
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