「思い切って告白するも、一度は返事を保留されたんです」
それから約8年後に再び勝負の時がきた。夜景は心強い味方だった。
「まあ、夜景の力でも借りるかと。女性はそういうの喜んでくれるかもと考えて、本当は恥ずかしいけど晴海ふ頭にしました。
返事がNOでも“夜景の力を借りたんですけどダメでした〜”って話のタネになるし、それくらい振りかぶった方が自分も納得がいく。
で、“付き合ってほしいんだけど…”と、おどおどしながら告白。そしたら返事が保留で、終わった!と思いました。
だって持ち帰られたら冷静になっちゃうじゃないですか。夜景のパワー使えないのかよっ!というショックもありました」
返事のないまま、彼女を送るためにふたりで歩きながら船が行き交う湾岸の夜景を見た。そして翌日…。
「彼女から“お願いします”と連絡がきました。冷静になってみてもOKを出してくれたのはよかったです」
田中さんといえば、“隠れモテ芸人”と噂がたっていた人。ビジネス非モテで本当は引く手あまただったのでは?
「モテる男田中?あはは!間違ってる。
だって俺、一昨年まで某雑誌の抱かれたくない芸人ランキング3位ですよ。俺は真面目に生きているだけなのにランクインするなんて。モテる男には一切なってないです。
ベストテンに10年以上入ってて本当に根強い。出川さんがずっと1位だったのにその座を奪ったのも俺で、2018年までは1位でしたから!」
「キモいが強みになって、ここまで食いつないできた」
キモキャラの印象は大きいと自ら考察する。では、キモキャラは不本意?
「本来は普通の人間として芸をやる予定で、最初は“キモかわいい”だったのに、かわいいが外れてキモいになっちゃった。自分のブランディングじゃなくて吉本芸人が作ったものです。
FUJIWARAの藤本さんに“おまえキモかわいいと言われてるけどキモいだけやん!”って叩き落とされた。それからキモ芸人を全うし始めて、抱かれたくない芸人ランキングも駆け上がりました。
高学歴、高身長、高収入のモテる男になろうとして一生懸命勉強してきたのに、そこまで求めない女子もいる、みたいな流れもきて、キモいが一番の武器になった。
言われたらやるしかねえと、なんとか食いつないでいたらこうやって東京カレンダーさんまで辿り着きました」