不動産選びの答えあわせ Vol.8

富裕層も「中古マンション」を買うの?東京都心の高級中古物件事情に迫る!

新築物件価格が高騰する東京都心において、「中古マンション」市場もまた急拡大している。

かつては「新築は手が出ないけど、中古ならば…」といった“お得感”を求めて中古マンションを選ぶ層が多かった。

だが、近年では「自分好みにカスタムできる」といった自由度の高さに惹かれ、世帯年収3,000万円を超えるアッパー層があえて中古マンションを購入しているという。

その実態を取材した。

▶前回:恵比寿200平米超の豪邸を訪問したら素敵すぎた。リノベーションでホテルのような内装に!

アッパーサラリーマンが選ぶ「中古マンション」の傾向とは?


野村総研が2019年に発表したデータによると、日本における「アッパーマス層(世帯年収3,000~5,000万円)」は約712万世帯。

億を超える新築物件を余裕で購入できる層が、中古物件を買うことはありうるのだろうか――?

その疑問に答えてくれたのは、一般家庭向け物件から超富裕層向けまで、さまざまなニーズに沿ったリノベーションを数多く手掛けているマンションデベロッパー「コスモスイニシア」の倉島将太さん。

「『Next GOOD』お客さまへ。社会へ。一歩先の発想で、一歩先の価値を」という企業存在意義を掲げ、人々の暮らしをより快適に、より素晴らしいものへ導く商品やサービスを提供。独創的かつ社会課題の解決を果たす提案を行う、こだわりのあるマンションデベロッパーだ。

倉島さんは、これまでアッパー層・富裕層向けの案件も担当。そんな彼に「アッパー層も中古物件を買うんですか?」と尋ねてみると、「はい」と、即答。

「以前、ご夫婦ともにお医者様のお客様がいらっしゃり、都内で購入されたマンションのリノベーションをお手伝いさせていただきました。

現役のパワーカップルや余裕のある富裕層が、中古マンションを購入する理由の1つには、画一的な新築の分譲マンションだとご希望の間取りやデザイン、設備と合致されないという面があるようです。

例えば100平米のマンションがあるとしますよね。デベロッパーが商品企画する場合に、100平米の広さを2LDKにして売るのはちょっと勇気が必要です。というのも、ファミリー世帯を狙うと3LDKから4LDKくらいにして売るのが一般的なんです。

だから『部屋数は必要ではなく、ゆったりと暮らしたい』と考えている方向けの物件が実は少ないんです。

そこで、金銭的に余裕のある方々は広さのある中古マンションを購入し、リノベーションを行う。箱として物件を買って、自分好みの空間を創りたいと考える方もいらっしゃるようです。

また、もう1つの理由として、人気のエリアではすでに開発が終わっており、新築物件が出にくいという事情もあります。資産価値で考えると、やはり立地は重要な要素です。そこで、立地の良い中古物件の購入をする方も多いですね」(倉島さん)

また顧客により、築15年くらいまでのあまり築年の古くない中古マンションや、時には新築マンションを購入し、リノベーションを行うこともあるとのこと。

さて、アッパー層はどのような物件を購入し、どのようなリノベーションを行っているのだろうか?

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