やっぱり、ホテルが好き。 Vol.2

東京のど真ん中の、美しき温泉旅館へ!露天風呂と日本最高位のディナーに陶酔

極上の非日常を体験するなら、ホテルをうまく利用するのが大人にとってベストな選択だろう。

最近は温泉宿もラグジュアリー化が進んでいるが、絶対なクオリティを誇るのは、都会のど真ん中に立つ、あの高級温泉旅館だ。

企業努力とその審美眼で、温泉旅館と都会の5つ星ホテルのいいとこどりといった空間を実現している。

そんな唯一無二のラグジュアリーホテルをご紹介する。


#一歩入ると温泉旅館  #静寂


正直、地方の高級温泉宿の値付けが腑に落ちないことがたまにある。

ひとり1泊5万ほど出すなら、眺めがよくてもディテールが垢抜けない客室だったら微妙な気分。

そこへきて「星のや東京」は、温泉旅と都会の洗練が共存する別格な宿だ。

玄関扉を開けて靴を脱いだら、もう非日常。

天井が高く、絵になる竹網の壁は実は下駄箱を兼ねている。

この竹を編んだ靴箱兼壁は高さ約12m。普段は小物でしか見ない伝統工芸を巨大サイズで目にするのが新鮮だ。

そのアイデアに感心してエレベーター前へ行くと、カンカンと拍子木の音を合図にかごが到着。なんとエレベーター内も畳敷き。

靴を脱いで過ごす旅館の世界感が徹底され、温泉宿でのお籠り気分が増す。


#影絵 #和の技巧 #旅情 #温泉情緒


館内の窓には旅情を掻き立てる仕掛けも隠されている。

外壁を麻の葉の文様で覆い、太陽の光で障子に影絵を映す。このアイデアに脱帽!

ワンフロアが6室のみなのもプライベート感に拍車をかける。

各フロアにはフリードリンクを楽しめる「お茶の間ラウンジ」があり、広々とした空間を気ままに使えるのも高得点。

楽に行き来できるよう客室ドアはオートロックをオフにできる仕様で地味に快適だ。


#地下ダイニング  #空間デザイン


そして、「星のや東京」で最も注目すべきなのが、宿泊者しか堪能できない特別な料理の数々だ。

2017年には、当時のトランプ大統領の長女、イバンカ大統領補佐官と安倍首相との夕食会場にもなり、一躍話題となった場所だ。

ダイニング入口は美しい巨大な花崗岩が並び、壁は地層をイメージして作られている。

床には栗材が張られ歩き心地がよく、資材が豪華さを決めると痛感せざるを得ない。

シェフは「ボキューズ・ドール」で日本最高位の世界3位にもなった浜田統之さん。

浜田さんの料理は年々ユニークさを増し、例えば冬のコース一品目から冴えまくる。


#ふぐコンソメ #ふぐパイ #ふぐ卵巣の糠漬け #発酵食品


冬のコースの一品目となるのは、ふぐのコンソメ。

ふぐ型土瓶のヒレにのるパイには、卵巣の糠漬け、身のムース、白子が入っている。

そこに注がれる、ふぐのコンソメはじんわりしみる味わい。

ペアリングは30年熟成のシャンパンときて、もう発想が和でありフレンチでありパンクなのだ。


#ズワイガニ #渡り蟹 #発酵パワー #麹


コースのテーマは「発酵」。

渡り蟹のコンソメジュレの下はたっぷりのズワイ蟹のほぐし身。その下には酒粕がしかれている。

さすが、浜田シェフが手がけるトップファインダイニング。

コースを食べ終わるころには、宿泊者しか食せない特権に酔いしれるだろう。


#温泉 #洞窟風呂 #露天風呂 #天然温泉 #塩分濃度高め


口福のあとは大手町の空の下で天然温泉の露天風呂に入るのがお決まりの流れ。

最上階には内風呂と露天風呂を設えた温泉と休憩室が用意されているのだ。

露天風呂は高い壁が空に続く塔のような造りで幻想的。


#旅館デザイン #和の客室 #特注座椅子が最高 #ふわふわ布団


そして、露天風呂を堪能したあとは、雲の寝心地のベッドで眠りにつく。

寝室とガラス張りの浴室が隣り合う客室の「百合」(1泊112,000円~)は、竹製コップや特注今治タオルなど細部まで秀逸。

朝には地上160mのヘリポートでの“天空朝稽古”なるアクティビティまであり、何からなにまで突き抜けている。

都内から出なくとも、下手な旅行よりエピソード満載の一泊となること請け合いだ。

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