オレの、私の、“奢りテク”教えます Vol.2

ベッテイ ファインテーブル フューチャリングハシン

BeTTei finetable feat.HASIN

~奢る店選びの条件~
コスパの高さはもちろん、若い社員が"アガる"店

curated by
吉柳 さおり

左上.旬の素材で作るおまかせタパス3種盛り¥1,200(奥)。手前は鎌倉野菜のバーニャカウダ¥1,400。鮪の酒盗のソースが絶品 左下.鴨肉だんご入り本鴨しゃぶしゃぶ¥3,900(2人前)。鍋の〆は、残った鴨ガラスープでいただく手打ちそば

吉柳さおり【ベクトルグループ プラチナム 代表取締役社長】

食事を奢ることは社員へ感謝のメッセージ

恵比寿駅にほど近い立地ながら、表通りからは外れた静かな一角に『ベッテイ』はある。毎朝、葉山に住むオーナー自ら仕入れる鎌倉野菜が人気を集める和食処だ。

「ここはとにかくお野菜が美味しい!」、そう言って、吉柳さおりさんは目を輝かせる。店のチョイスは、社員の身体を気遣ってのこと。「若い社員って、忙しいと食事をおろそかにしがち。だから、野菜を食べさせたいときに連れてくることが多いです」。

この日オーダーしたのは、瑞々しい鎌倉野菜の旨みが存分に味わえるサラダと、青森のブランド鴨「銀の鴨」がいただけるしゃぶしゃぶ。お酒好きの女性社員・永井萌さんと白ワインで乾杯し、ガールズトークに華を咲かせた。

学生時代から現在の仕事を始めた吉柳さんも、よく奢られたクチ。当時連れて行ってもらった未体験の“大人の店”での高揚感や、美味しい物を食べさせてもらった恩は、忘れることはないという。

吉柳さおり/Saori Kiryu

慶応大学在学中にPR会社の設立に参画。2004年にプラチナムの社長に就任。大手企業のPR、コンサルティングの業務に携わる。

今では、食事をごちそうすることも多くなった彼女にとって、“奢ること”にはどういう意味があるのだろう。「奢ることは社員たちへの感謝のメッセージです。みんなよく働いてくれていて、そのことを私はちゃんと分かっているよ、ということを、美味しい食べ物を通じて伝えているんです」。

完成された料理を食べると、仕事へのモチベーションも上がると彼女は言う。「うちの社員も、1回食事に誘うと3ヵ月はしっかり頑張ってくれます。そうだよね(笑)」。そう言って、横目で微笑む吉柳さんに、永井さんも笑顔で頷く。

彼女にとって奢ることとは、労いの表現でありながら、エネルギーを注入する大切な行為でもあるのだ。

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