狙っていた彼からデートに誘われた!それなのに「2回目はナシだな」と思われてしまった27歳OLは…
かわいいと思われたい。キレイだと言われたい。
女性なら誰しも、そう考えたことがあるはず。
ときにはありのままの姿を偽ってまで、自分を良く見せようとしてしまうことも、あるかもしれない。
でも女性が本当に美しくなるのは、どんなときだろうか?
これは自身の魅力を見失ってしまった、ある27歳女の物語。
「うん、映えてる映えてる。これはまたフォロワー増えちゃうかも!」
誰よりも早く手に入れた最新のスマホで、フルーツたっぷりのケーキを写真に収めていく。
混雑したカフェの中にいるにもかかわらずハイテンションで喜ぶ私に、向かいの席に座る美波さんが言った。
「有希ちゃん、グルメインフルエンサーの活動もいいけどさぁ。早く食べよう?このケーキ、すーっごく美味しいよ」
彼女は私が働く外資コンサルの、バックオフィス部門の先輩だ。
そして事務職OLのかたわら、グルメインフルエンサーとして活動する私を応援してくれている、グルメ仲間でもある。
クリームたっぷりのケーキを美味しそうに頬張る美波さんに、私は小さな声で答えた。
「いえ、インスタに載せる写真はうまく撮れたんで…。あとはもう紅茶だけ飲んでます。美波さん、もしよかったら私の分もどうぞ!」
私と同じくらい食いしん坊で、大食いな先輩なら「ラッキー♪」なんて言いながら、喜んで食べてくれるかと思ったけれど…。
美波さんはあきれたように、ため息をつきながら言うのだった。
「さては有希ちゃん、まだ立ち直ってないんでしょ。“あんなこと”があったからって、気にすることないのに」