改めて識るべき 老舗グランメゾンの真価 Vol.2

アピシウス

APICIUS

味、空間、サ―ビス、三位一体の名店

Traditionnel

オーストラリア産仔羊背肉のロティ 花付きクルジェット添え

仔羊の料理は、創業当時から常にメニューにあり『アピシウス』に欠かせない存在。上質な輸入肉が入りづらかった時代には、北海道・紋別に自社牧場を作り、仔羊や真鴨などを飼育していたという逸話も。¥6,350

今年4月、めでたく創業30周年を迎えた『アピシウス』。オーセンティックなフランス料理と、贅を尽くした内装や調度品、そしてハイレベルなサービスの三拍子が揃った名店として、揺るぎない評価を得ている。

3代目にあたる現シェフ・岩元 学氏は、83年に入店。以後スーシェフ、そして2008年にシェフに就任。長年携わってきた『アピシウス』伝統の皿を守りつつ、自身の持ち味を発揮した新たな料理も創出している。

たとえば、左上の鮎を使ったひと皿。プロヴァンスなど南仏でポピュラーな、バジルを使った「ピストーソース」と、鮎の風味を凝縮させたソースや自家製のレザンオイル、ペッパーオイルなどを合わせて……と構要素は多岐に及ぶが、主役たる鮎の存在を引き立てつつ、それらをおだやかにまとめあげるのがスクランブルエッグ。鮎と卵という馴染み深いふたつの食材が、新たな一面を見せている。

一方で、長年ゲストの舌を喜ばせている仔羊は、あくまで王道の趣。見事な火入れを物語るロゼ色の断面に、羊の旨みだけを抽出したかのようなソース。傍らのズッキーニの花には、仔羊や仔牛、リー・ド・ヴォーで作ったムースが、という寸法だ。

食材のみならず、料理を彩る器にも妥協はない。創業当時に大倉陶園に特注したプラチナや金を使ったオリジナルの皿や、同様にクリストフルに特注したというゴールドのカトラリーetc.。圧巻は、店内に並ぶアートで、世界の巨匠による絵画は、創業者のコレクションですべてが原画である。

そして、この空間を取り仕切るのが強者のサービス陣。数多の有名店の支配人を歴任した永井利幸氏以下、見事な料理に舌鼓を打つ時間を委ねて安心な、盤石の構えで迎えてくれる。

Nouvelle

長良川郡上鮎のオーブン焼きピストー風 スクランブルエッグを添えて

茶色いソースは鮎の頭や肝、骨から。緑のソースはバジル、オリーブオイル、トマトをベースに柑橘や粒マスタードを効かせている。鮎の持ち味であるほろ苦さを受け止める卵の包容力と相性の良さに驚嘆。¥4,200


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