「やめるときも、すこやかなるときも、あなたを愛する」と誓ったはずなのに…。
“やめるとき”は、愛せないのが現実。
思い描いていた結婚生活とは程遠く、二人の間に徐々に生じ始める不協和音。
「こんなはずじゃなかった」と不満が募ったとき、そもそも「この結婚、間違ってた?」とふりかえる。
あなただったら、この結婚生活やめる?それとも…?
Vol.1 足りなかった覚悟
【今週の夫婦・結婚2年目】
夫:慧 (30) ライバー事務所経営・経営コンサル
妻:優香里(29) 大手メーカー役員秘書
『優香里、ごめん。今日もこのまま会食になりそうだ』
夫の慧(けい)からLINEが入る。料理中に音がないと寂しいからと、18時につけたテレビは、いつの間にかバラエティ番組になっていた。
― こんな時間に言わないでよ…。
今日は土曜日で慧が早く帰れると言うから、好物の鶏の唐揚げとポテトサラダ、それから具沢山のお味噌汁を準備していたのに、虚脱感に襲われる。
どれも割と手がかかるメニューで、一人の夕飯ならば作らない。
私は手を止め、二人暮らしにしては大きすぎる冷蔵庫からスパークリングワインを取り出した。そして、親友から結婚祝いにもらったバカラのシャンパングラスに注ぐと、一気に飲み干す。
一緒に食べられないとわかると、料理をする気が失せてしまう。
下味をつけた鶏肉はそのまま冷凍し、お味噌汁は、帰宅した慧が欲しがることが予測できたので、とりあえず仕上げた。
そして私は、すでに出来上がっていたポテトサラダと、明日食べるために買ってあった塩トリュフパンで簡単に夕食を済ませることにした。
ソファに腰を下ろし、グラス片手にNetflixで韓国ドラマを見ながら心の中でつぶやく。
― なんだか、思っていた暮らしと違うんだよなぁ…。
この記事へのコメント
捨てるなら開けるな!
フィクションとわかっているけど、食べ物や飲み物を粗末にする描写はすごく嫌。
しかも飲食のコンサルって、たいしてお金にならないし、時間が読めなかったり明け方まで帰れなかったり。相当大変だと思うから。そんな旦那様に対しての態度があれって、ちょっとひどいなぁと思ったよ。