2021.04.15
柳 忠之のこの12本におまかせ Vol.5春の季節におすすめなのが、ロゼワイン。
昨今はさまざまな種類が誕生し、今やにわかにロゼブームが巻き起こっている。
お花見のお供として日本ではよく嗜まれるが、お花見の習慣がない海外でも大変人気。
今回、そんな世界中で愛されるロゼワインの魅力に迫った!
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今年もバーチャル花見には、美しい色調のロゼワイン
柳「クラリ〜ン(担当編集の嵩倉)、今月のお題目はロゼです。」
――またズバッと来ましたね。
柳「毎年この季節、お決まりのテーマなので。」
――お花見にはロゼですからね。
柳「うん、そうなんだけど。毎年この季節にロゼをすすめていながら、実はずっと引っかかっていて。花見の時期はまだ肌寒く、外で冷えたロゼはちと辛い。」
――が〜ん、それではテーマ変更?
柳「いや、それが去年気付いたんだけどさ。お花見自粛で仕方なく、タブレットの画面に満開の桜を映して、バーチャルなお花見を楽しんだわけ。家の中なら暖房も効くし、冷えたロゼの美味しいこと。」
――今年も、お花見の宴会は自粛ムードになりそうです。
柳「でしょ。だから、今年もおうちでロゼを片手に、バーチャルお花見。」
――楽しそうだ〜。ところで、海外にお花見の習慣なんてありませんよね?あちらでは、どういう時にロゼを飲むんです?
真夏のビーチリゾートで、セレブが嗜む超高級ロゼ
柳「バケーションシーズンともいえる初夏。ビーチリゾートで優雅に。そもそも、ロゼの最大生産地は南仏プロヴァンス地方。ニースやカンヌといったセレブが集まる、コート・ダジュール周辺だ。」
――きゃ〜、素敵!
柳「真夏に渋い赤は喉を通らないし、かといって白だとさっぱり過ぎる。こういう時こそ、ロゼの出番。」
――でもロゼって甘くないですか?
柳「はぁ?ロゼ=甘口って、それこそクラリンが生まれる前にはやったマテウス・ロゼやロゼ・ダンジュのイメージだよ。そうした甘口のロゼは隅に追いやられ、今世界で楽しまれているロゼワインの大部分が辛口だね。」
――そうでしたか!お恥ずかしい。
柳「そうそう。俳優のブラッド・ピットと元妻のアンジェリーナ・ジョリーが、プロヴァンスに「シャトー・ド・ミラヴァル」というお城を持ってて、そこでロゼワインを造ってるのは知ってる?
それから去年、高級ブランドグループのLVMHが、「シャトー・デスクラン」というロゼ専門のワイナリーを買収したよ。」
――なんと、いつの間にやら世の中すでにロゼブーム。とはいえ、ロゼといえばお手頃価格で、高級ブランドに身を包んだセレブが嗜むには格が合わないのでは?
柳「クラリンの言うとおり、これまで超高級なロゼが存在しなかったから、ロゼはボルドーの赤やブルゴーニュの白よりも格下に見られていた。
ところがさっき話に出たシャトー・デスクランが、「ガリュ」というスーパープレミアムロゼを出して、状況が一変したね。」
――すると他にも高級ロゼが?
柳「ドメーヌ・オット★の「エトワール」。生産量わずか5,000本という超希少なロゼだ。これを飲んだら腰を抜かすよ。恐るべき凝縮感、際限なき奥行き。
ガストロノミックな料理と合わせたい、まさにキング・オブ・ロゼだね。」
――嵩倉、今年は高級ロゼの似合う女を目指します!
「DOMAINES OTT★ ÉTOILE(ドメーヌ・オット★ エトワール)」
この2019年が、初ヴィンテージのウルトラプレミアムロゼ。ドメーヌ・オット★が所有する3つのドメーヌから、最上のブドウをブレンド。
生産量はたったの5,000本!「キング・オブ・ロゼ」を一度は経験しておきたい!
19,800円/エノテカ TEL:0120-81-3634
人気シャンパーニュと兄弟分というのも納得
ドメーヌ・オット★は、「クリスタル」で有名なシャンパーニュのルイ・ロデレール傘下にあるワイナリー。
その際限のない奥行きに、「クリスタル・ロゼ」との共通性を感じずにはいられない!
編集部員・嵩倉が飲んでみた!
まずはボトルにうっとり。やや広がった口から胴にかけての曲線がセクシーで、開ける前から高級感たっぷり。
華やかな酸味で飲みやすさは言うまでもないけれど、美しい所作で上品にいただきたい味わいでした。
◆
教えてくれたのは
ワインジャーナリスト 柳 忠之氏
世界中のワイン産地を東奔西走する、フリーのワインジャーナリスト。迷えるビギナーの質問に、親身になって答えるワインの達人。
※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、2021年3月19日時点の情報です。
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