柳 忠之のこの12本におまかせ Vol.5

海外セレブ御用達のロゼワインとは?「キング・オブ・ロゼ」と称される1本はこれだ!

春の季節におすすめなのが、ロゼワイン。

昨今はさまざまな種類が誕生し、今やにわかにロゼブームが巻き起こっている。

お花見のお供として日本ではよく嗜まれるが、お花見の習慣がない海外でも大変人気。

今回、そんな世界中で愛されるロゼワインの魅力に迫った!

今年もバーチャル花見には、美しい色調のロゼワイン


柳「クラリ〜ン(担当編集の嵩倉)、今月のお題目はロゼです。」

――またズバッと来ましたね。

柳「毎年この季節、お決まりのテーマなので。」

――お花見にはロゼですからね。

柳「うん、そうなんだけど。毎年この季節にロゼをすすめていながら、実はずっと引っかかっていて。花見の時期はまだ肌寒く、外で冷えたロゼはちと辛い。」

――が〜ん、それではテーマ変更?

柳「いや、それが去年気付いたんだけどさ。お花見自粛で仕方なく、タブレットの画面に満開の桜を映して、バーチャルなお花見を楽しんだわけ。家の中なら暖房も効くし、冷えたロゼの美味しいこと。」

――今年も、お花見の宴会は自粛ムードになりそうです。

柳「でしょ。だから、今年もおうちでロゼを片手に、バーチャルお花見。」

――楽しそうだ〜。ところで、海外にお花見の習慣なんてありませんよね?あちらでは、どういう時にロゼを飲むんです?

©MASAO ISHIHARA/SEBUN PHOTO/amanaimages
南仏のリゾート地といえば、コート・ダジュール。プロヴァンス地方は辛口ロゼの本場で、夏にはセレブたちの喉を潤す


真夏のビーチリゾートで、セレブが嗜む超高級ロゼ


柳「バケーションシーズンともいえる初夏。ビーチリゾートで優雅に。そもそも、ロゼの最大生産地は南仏プロヴァンス地方。ニースやカンヌといったセレブが集まる、コート・ダジュール周辺だ。」

――きゃ〜、素敵!

柳「真夏に渋い赤は喉を通らないし、かといって白だとさっぱり過ぎる。こういう時こそ、ロゼの出番。」

――でもロゼって甘くないですか?

柳「はぁ?ロゼ=甘口って、それこそクラリンが生まれる前にはやったマテウス・ロゼやロゼ・ダンジュのイメージだよ。そうした甘口のロゼは隅に追いやられ、今世界で楽しまれているロゼワインの大部分が辛口だね。」

――そうでしたか!お恥ずかしい。

©EDB Image Archive / Alamy/amanaimages
2011年に、ブラピはアンジーと南仏にシャトー・ド・ミラヴァルを購入。12年に、初ヴィンテージのロゼを造った。離婚後もなお共同で所有しているそうな


柳「そうそう。俳優のブラッド・ピットと元妻のアンジェリーナ・ジョリーが、プロヴァンスに「シャトー・ド・ミラヴァル」というお城を持ってて、そこでロゼワインを造ってるのは知ってる?

それから去年、高級ブランドグループのLVMHが、「シャトー・デスクラン」というロゼ専門のワイナリーを買収したよ。」

――なんと、いつの間にやら世の中すでにロゼブーム。とはいえ、ロゼといえばお手頃価格で、高級ブランドに身を包んだセレブが嗜むには格が合わないのでは?

柳「クラリンの言うとおり、これまで超高級なロゼが存在しなかったから、ロゼはボルドーの赤やブルゴーニュの白よりも格下に見られていた。

ところがさっき話に出たシャトー・デスクランが、「ガリュ」というスーパープレミアムロゼを出して、状況が一変したね。」

――すると他にも高級ロゼが?

柳「ドメーヌ・オット★の「エトワール」。生産量わずか5,000本という超希少なロゼだ。これを飲んだら腰を抜かすよ。恐るべき凝縮感、際限なき奥行き。

ガストロノミックな料理と合わせたい、まさにキング・オブ・ロゼだね。」

――嵩倉、今年は高級ロゼの似合う女を目指します!

「DOMAINES OTT★ ÉTOILE(ドメーヌ・オット★ エトワール)」


この2019年が、初ヴィンテージのウルトラプレミアムロゼ。ドメーヌ・オット★が所有する3つのドメーヌから、最上のブドウをブレンド。

生産量はたったの5,000本!「キング・オブ・ロゼ」を一度は経験しておきたい!

19,800円/エノテカ TEL:0120-81-3634

人気シャンパーニュと兄弟分というのも納得


ドメーヌ・オット★は、「クリスタル」で有名なシャンパーニュのルイ・ロデレール傘下にあるワイナリー。

その際限のない奥行きに、「クリスタル・ロゼ」との共通性を感じずにはいられない!

編集部員・嵩倉が飲んでみた!


まずはボトルにうっとり。やや広がった口から胴にかけての曲線がセクシーで、開ける前から高級感たっぷり。

華やかな酸味で飲みやすさは言うまでもないけれど、美しい所作で上品にいただきたい味わいでした。

教えてくれたのは
ワインジャーナリスト 柳 忠之氏


世界中のワイン産地を東奔西走する、フリーのワインジャーナリスト。迷えるビギナーの質問に、親身になって答えるワインの達人。

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、2021年3月19日時点の情報です。

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