「鮨」というワードに心躍る大人は多いだろう。「隠れ家」もまた然り。
昨年末、白金の隠れ家ホテル「シェラトン都ホテル東京」に誕生した鮨の名店は、まさに「隠れ家鮨」。
ホテルならではのラグジュアリーな空間の奥に潜む『鮨 白金 さえ㐂』は、大人たちに心地よい高揚感を与えてくれる。
若き大将が継承する、説明不要の名店の鮨
白金の奥深くに佇む名門、「シェラトン都ホテル東京」。昨年12月、地下1階フロアに、鮨と鉄板焼きを擁するラグジュアリーなダイニングエリアがオープンした。
エスカレーターで地下へ潜り、奥へ。落とされた照明に誘われるよう、先へ進むと『鮨 白金 さえ㐂』のカウンターへ導かれる。
界隈の美食家はもちろん、世界中から訪れるゲストをもてなすために、同ホテルが鮨店の監修を依頼したのは『鮨 さえ㐂』総大将の佐伯裕史氏。
鮨通ならずとも、その名に聞き覚えがある人は多いだろう。関西ナンバーワンとの呼び声も高く、2019年に東京・銀座に出店した際も、大きな話題となった名店だ。
そんな "予約困難店“の筆頭に挙げられる『さえ㐂』の、新たな挑戦の場を29歳の若さで任されたのは荒木大貴氏。その大役にこう意気込む。
「看板を守ること。と同時に、お客様に驚きを与えられる店を作りたい」
清廉な空間には8席の檜のカウンター。奥には6席のカウンター個室(室料 10,000円)がひっそりとあり、「隠れ家の中の隠れ家」という特別感を味わえる。
メニューは「おまかせコース」(25,000円〜※税サ10%別)一本。
握りの前に供されるのは、季節感を表現する前菜。鰹と昆布の一番出汁にくぐらせる「伊勢海老のしゃぶしゃぶ」は、月替わりの前菜の一品。
食欲をそそる出汁の香りと目前で行われるプレゼンテーションに、ぐっと『さえ㐂』の世界に引き込まれていく。
まぐろの仕入れは銀座店と同じ仲卸から。「本まぐろ赤身」は状態を見ながら、さっと漬け用の醤油にくぐらせ、水気を抜き、よりよい状態へと導く。
すし酢は赤酢と黒酢を独自に配合したものを使用。シャリは滋賀県産の米「大粒ダイヤ」。
こしひかりよりも1.5倍ほど粒が大きく、米と米の間に空気が生まれることで、口に入れた際、ふわっとした軽やかさを纏う。
この計算され尽くされた鮨を味わえば、名店たる所以が実感できるだろう。
握り10貫の最後を飾るのは「トロたく」。一度食べたら忘れられない、というファンも多い名物だ。
シャリ1、トロ9の割合で巻かれ、贅沢に口の中で溶けていく。
白金の奥という隠れた立地ゆえ、大人しかいない落ち着いた雰囲気が心地いい。
佐伯氏が全幅の信頼を寄せる若き職人が握る、揺るぎない鮨。白金で、大人を満たす鮨店が、また一軒現れた。
■店舗概要
店名:鮨 白金 さえ㐂
住所:港区白金台1-1-50 シェラトン都ホテル東京 B1
TEL:0120-901-241
営業時間:ランチ 11:30~(LO14:00)※土・日・祝日のみ
ディナー 18:00~/20:30~ ※二部制、要予約
定休日:無休
席数:14席(カウンター8席、個室カウンター6席)