三茶食堂 Vol.9

「毎回、食事だけして解散。これってただのメシ友?それとも…」女の本音が分からぬ28歳男の決断

毎週金曜日に、ひっそりとオープンする“三茶食堂”。

この店のオーナーの直人(45)曰く、ここで繰り広げられる人生相談を聞いていると、東京の”いま”が知れるのだとか…。

さて、今宵のお客さんは?

▶前回:翌朝帰宅した彼からは、安っぽい香りがした。38歳女が年下男にハマったら…


Case 9:“勝つ”ことを忘れた男・凌(28歳)


「直人さん、お代わりもらっていいですか?」

『三茶食堂』のカウンター席でビールを飲みながら、脳裏に今日の出来事が蘇る。

“もう考えないでおこう”と思うのに、考えずにはいられない。

「はいこれ、つまみ。凌くん、今日はピッチが早いね〜」

明太子入りの卵焼きとともにビールを出してくれた直人さん。彼が作るこの卵焼きは、僕の大好物でもある。

「今日、昼間に偶然元同期に会ったんですけど。今の自分と比較したら、俺って全然ダメだなぁと思い始めて」

昔一緒に働いていた、同い年の北斗。4年前くらいに会社を辞め、名も知らぬベンチャー企業へ移ったが、その会社のCIOになり今や大成功者である。

北斗と比較すると、自分はこのままで大丈夫なのかという漠然とした将来への不安と、焦燥感に駆られてしまう。

さらに追い打ちをかけるかのように、北斗の隣にはすごい美人がいた。

「俺は何をやっているんだろう…仕事も負けているし、彼女もいないし。菜穂さんも無理っぽいしなぁ」

一方の僕は、三つ年上の菜穂に好意を寄せているものの、何度デートをしても男女の関係にはならず、よくわからない“メシ友”のような関係になっている。

仕事も恋愛も、完全に負けていた。

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