先日ネットニュースで読んだのだが、年収800万円以上の人が1回のデートで使う金額は、平均8,803円らしい。
一方、私の年収は約450万円。
手取り月収25万円で、一人暮らしの丸の内OLをやれというのは酷な話だ。
毎月新しい服や靴を買うのではない。現状を維持するための美容院、ネイル、まつエクで軽く3万円は消える。外でランチをとると1回1,500円。少し無理して住んでいる神楽坂の1Kは家賃91,000円也。
毎月ギリギリだ。
それでも私たちは、ふんわり笑っていることを求められる。
「武士は食わねど高楊枝」という言葉をはるか昔に習ったけれど、あの精神は、歴史がどこかでバグって、私たち丸の内OLに引き継がれてしまったに違いない。
“人並み以上のデートをして、高収入の男性を捕まえる!”
誇り高き私たちに、それくらいの野心は許されてもいいと思う。
さて、今夜のデートもナシだったけれど、夕飯代を節約することには、成功した。
相手が誰であれ、銀座の一流店、磨き抜かれたカウンターでいただくお鮨はおいしい。
お会計は1人1万円を優に超えていたから、相手の年収が幾らであっても、私は「平均以上のデート」をしたことになる。
支払ってもらった金額は、いわば私の市場価値。今夜食べた絶品のバフンウニと同様、26歳の私の時価だ。
もちろん、ご馳走してもらうからには、こちらも最大限のリップサービスと笑顔でもてなした。
最低限の礼儀として。
案の定、勝手に手ごたえをつかんだらしい相手から、帰宅中から立て続けにLINEが届いている。「ここにいこう」「あそこにもいこう」と、2回目のデートがあること信じ切っている様子で、「平均以上のお店」を提案してきた。
自ら勘違いさせたのに、「イケる」と思われると、何だか落ち込む。
―この私が、あなたに見合うレベルだと思われました?
外資系コンサルタントとデートした同僚の場合
滅入った気持ちを回復させるために、翌日、同僚のミナをランチに誘った。
「昨日もナシだったわ~」
「おいしいものが食べられただけいいじゃない」
こんな時、ちゃんと羨ましがってくれるから、女友達って大好き。
そんな彼女は今、大学時代の先輩である外資系コンサルタントの男子に近づこうと必死だ。
「この間、やっと会う約束を取り付けたんだけど、『オレ、そんなに腹減ってないから』って蕎麦屋に連れていかれてさ…」
向かい合わせに座り、言葉少なにチュルチュルと一瞬でお蕎麦をすすり終えた後は、先輩は仕事のメールに対応するのにかかりきり。
「もうさ、暇だったから、蕎麦湯飲みながらマッチングアプリ眺めてたよ」
―それ、絶対脈ナシだと思うんだけど…。
余計なお世話と知りつつも、「年収800万円以上の場合、デート代は平均8,803円」と教えてあげた。
ミナのデートは、「平均以下」だろう。
「あら、いいのよ。先輩の年収が平均のウン倍ですから」
にんまり笑うミナ。
―なるほど、先輩との結婚で玉の輿を狙うなら、デート代より年収が大事か。
何の「平均」に重きを置くかは人それぞれ。
「宝くじを買うよりも先輩にアプローチするほうが、お金持ちになれる確率はまだ高いでしょ?」とのこと。
この記事へのコメント
いっぱいいるのにね。。
その性格の悪さバレないうちに
年収の高い結婚相手見つかると良いねw