愛して、もう一度だけ。 Vol.1

愛して、もう一度だけ。:人生初の失恋に打ちひしがれる26歳高学歴美女。納得いかない女がとった行動

彼との出会い


友之との出会いは、2019年4月。

私が25歳で、彼が30歳のときだった。

大手芸能プロダクションでタレントのマネジメントをしている私は、その日、自分が担当している女性タレントの「山城由奈」と共に、とある大御所芸能人のバースデーパーティーに参加していた。

広大な庭園でシャンパンボトル片手にバカ騒ぎをする有名芸能人がいるかと思えば、しっぽりと仕事の話をするスーツ姿の大人達もいる独特の空間。

そのスーツ姿の大人達の輪に由奈を連れて入りこみ、ひたすら挨拶と名刺交換をして回っていた。

由奈は雑誌のモデル出身で、20歳にして芸歴は10年以上。

最近では、テレビでも引っ張りだこ。コメンテーターとして出演しても、しっかり笑いを取れるし、若いのにMCもバッチリ回せてしまう。地上波のバラエティ番組で見ない日はない。

ひと通りの挨拶が済んだところで、彼女は仲の良いモデルと一緒にインスタ用の写真を撮りに行った。それを遠巻きに見守りながら、私はソフトドリンク片手に隅のベンチで一息つく。

その時。

「お酒、飲まないんですか?」


突然声を掛けられ驚いて振り向くと、そこには長身ではっきりした顔立ちの男性が立っていた。

「私、あそこにいる山城のマネージャーで。今日は仕事の延長みたいな感じなので、お酒は控えてるんです」

そうだったんですね、とニコニコしながら、彼はサッと名刺を取り出し私に差し出してきた。

「美容整形外科医をやっております、杉原友之です。タレントさんの施術なんかも、よくやらせてもらってるんですよ」

彼は真っ白な歯を見せて、ハハハと豪快に笑う。

爽やかな彼の姿に、私は好印象を抱いた。

その日以来、お互いに忙しい合間を縫って食事に行き、3ヵ月ほどが経った頃、彼から告白され付き合うことになった。

彼との出会いは、そんなありきたりの日常の中にあった。

私が彼に惹かれた理由。それは、見た目とは裏腹に読書家で、幅広いジャンルのカルチャーに精通しているところ。

本だけではなく、映画や音楽など、恐ろしいくらいに私と趣味が一致した。彼と一緒にいると、時間が本当にあっという間だった。

こんなに楽しく語り合える男性に出会ったのは、生まれて初めてだった。

付き合って1年の記念日には、有名なグランメゾンを予約してくれた。プレゼントには、ティファニーのピアスまで用意してくれていた。

医者で、イケメンで、センスが良く、趣味も合う。最高の条件が揃った自慢の彼氏。

周りにも美男美女でお似合いだと言われていたし、この幸せがいつまでも続くものだと思っていた。

それなのに…。

この記事へのコメント

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No Name
友達の百花っておバカ?
理由も曖昧にして自分からフった元カノに
1週間後
誕生日おめでとう 連絡するアホはいない!
増してやより戻そうなんて。
2021/01/25 05:3799+返信5件
No Name
タレントマネージャーなのに、当日のズル休み出来るんですね!
2021/01/25 05:1890返信3件
No Name
また上智大卒か〜

あと爽やかイケメンはいっつも「真っ白な歯」
2021/01/25 05:3452返信37件
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