5.2%の憂鬱〜妻からの挑戦状〜 Vol.3

「妻は何か隠している…」帰宅しない妻を見張っていた夫が、目にしてしまった光景

5.2%―。それは、日本国内で“妻の方が稼ぐ”世帯の割合。

「妻には、仕事を頑張ってもっと輝いてほしい」

笑顔でそう言いながら腹の底では妻を格下に見て、本人も自覚せぬまま「俺の方が稼いでいる」というプライドを捨てきれない男は少なくない。

そんな男が、気づかぬうちに“5.2%側”になっていたら…?

男のプライドが脅かされ、自らの存在意義を探し始めたとき、夫はどんな決断をするのだろうか。

◆これまでのあらすじ

副業のために外泊ばかりを繰り返す、妻の伊織。そのことを同僚に相談すると、浮気を疑われてしまった。まさかとは思いつつも不安が拭えない新太(あらた)だったが…?

▶前回:高級ホテルで一体何をしている…?夫が言葉を失った、妻の異常な行動履歴


「準備したら、すぐに出かけるから」

朝の6時半。

伊織が帰ってきた物音で目が覚めた新太がリビングを見に行くと、彼女は冷たく言った。それだけ言うと、着替えを洗濯機に入れたり、化粧を直したりと、忙しなく動き続ける。

昨晩、自分の連絡を無視したことや数日家を空けていたことに対して、なんの謝罪の言葉もないことに、新太は苛立つ。

高級ホテルに泊まっていたとは、一体どういうことなのか。

「昨日のことだけど…」

伊織を問いただそうと切り出した新太だが、途中で言葉を止めた。彼女の顔を見て、ぎょっとしたのだ。

顔は青白く、目の下にはクマが出来ていて、肌もかなり荒れている。見るからに体調が悪そうだ。

そんな様子に不安を覚えた新太は、伊織に尋ねた。

「体調は大丈夫なのか?」

だが伊織は、面倒そうに反応するだけで、自分と目も合わせようとしない。

「え…。ああ」

そして、あくびをしながら出かける準備を続ける。

「ちゃんと寝てるのか?ご飯食べてるのか?」

心配になった新太が思わず聞くと、伊織は「はあ…」とため息をついた。そして新太の方をギロリと睨み、こう言い放ったのだ。

「うるさいっ」

新太は、伊織が初めて見せる冷酷な態度に固まってしまった。

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