5.2%の憂鬱〜妻からの挑戦状〜 Vol.1

5.2%の憂鬱〜妻からの挑戦状〜:自宅から徒歩15分のホテルに泊まる妻。夫の存在を無視して、女がしていたこと

5.2%―。それは、日本国内で“妻の方が稼ぐ”世帯の割合。

「妻には、仕事を頑張ってもっと輝いてほしい」

笑顔でそう言いながら腹の底では妻を格下に見て、本人も自覚せぬまま「俺の方が稼いでいる」というプライドを捨てきれない男は少なくない。

そんな男が、気づかぬうちに“5.2%側 ” になっていたら…?

男のプライドが脅かされ、自らの存在意義を探し始めたとき、夫はどんな決断をするのだろうか。


「ねえ伊織、相談があるんだけど…。あ、そうだった」

伊織に相談しようと呼びかけた新太(あらた)は、途中で止めた。彼女は昨日、仕事に集中したいと言って出て行ってから、まだ帰宅していない。

時刻は20時。今夜はどうするつもりなのだろうか。

振り返れば、伊織はこの1ヶ月もの間「副業の方が忙しいから」と、ホテルに泊まってばかりいる。

副業を始めた当初は、仕事をがんばりたいという彼女の意向を汲んでいたが、最近はさすがに度を越えている気がするのだ。

…そもそも、伊織がここまでして副業に力を入れる必要などない。なぜなら夫である自分の収入だけで、十分に贅沢な暮らしを送れるだけの余裕があるのだから。

新太が「ハァ…」と、何度目か分からないため息をついたとき、握りしめていたスマホがブルルと震えた。

慌てて画面を見ると、伊織からのメッセージだった。待ちわびていた妻からの連絡に、新太は急いでLINEのアプリを立ち上げる。

『今日も仕事が終わらないので、ホテルに泊まります。本当にごめんなさい』

―えっ。2日連続で帰宅しないのかよ…。そんなに副業が忙しいのか?

もしかしたら、副業以外の別の用事があるのかもしれない。新太は、伊織からのメッセージにイヤな想像を膨らませる。

その時新太は、あることを思いつき慌ててパソコンを開き始めた。

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