時計じかけの女たち Vol.4

寝室が別々になって、3か月…。妻がキゲンを取り戻した夫からの一言とは

時計はかつて、人々にとって時間を知る大切な道具だった。

だがスマートフォンが流通した現在、時計は単なるモノではない。

小さな文字盤の上で正確に時を刻みながら、持ち主の“人生”を象徴するものだ。

2020年、東京の女たちはどんな腕時計を身につけ、どういった人生を歩むのかー。

▶前回:美容外科医として輝く28歳の女が、かつて友人からされた痛烈な仕打ちとは


【Cartier タンクフランセーズを身に着ける女】

名前:愛美
年齢:32歳
職業:大手金融一般職

“○○ちゃんのママ”と呼ばれるはずだった人生


「そういえばかなちゃんママ、下の子は何歳になったんだっけ?」

熱風がそよぐテラス席での会話に、思わず反応してしまう。

―私も30歳までには、産んでるはずだったんだけどな…。

以前は、自分も子どもの名前+ママと呼ばれると思うとゾッとしていたものだが、今はただうらやましい。

今日は、オープンしたての青山グランドホテルの『THE BELCOMO』で約束があった。旧ベルコモンズ跡地に佇む、青山の新たなランドマーク。大学時代に大の仲良しだった、瑞希と会う予定だ。

彼氏、内定先、バッグや誰かに連れて行ってもらうレストラン…何においても誰かと比べてマシでいたかった大学時代。多くの時間を彼女と共にした。

夜中のクラブで騒いだり、週に何回もお食事会に参加しながらもお互いにきっちり彼氏はいたし、要領よく就活も勝ち抜いた。

『ねえ、愛美。うちらやっぱり、30までには第一子が欲しいよね?』

当時瑞希と交わした言葉の通りに、人生計画をしてきたのだ。

社会人になって長い時間が経ち、お互い忙しく、連絡はとっていたものの今日会うのは半年ぶり。

「愛美お待たせ。元気だった?」

久しぶりに会う瑞希は、4か月前に婚約をし、幸せの絶頂にいるオンナのオーラを放っていた。

「実はね」

そう言って微笑む瑞希が発した次の言葉を聞いて、思わず息を呑んだ。

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